「キリン 生茶 リッチ」発売、“微粉砕かぶせ茶”を「生茶」の10倍使用、手間暇かけて“お茶はどれも同じ”から脱却/キリンビバレッジ
キリンビバレッジは9月5日、「キリン 生茶 リッチ」を発売した。400mlペットボトル、税別163円。
茶葉をきめ細かく粉砕した独自素材の“微粉砕かぶせ茶”を「生茶」の10倍使用し、複数の温度帯で抽出することで茶葉の深いうまみとコクが感じられる味わいに仕上げたという。
ペットボトルの緑茶飲料市場では、苦みや渋みのある「濃い系」のほか、大容量商品や安価なプライベートブランド商品が多い。キリンビバレッジは、生活者にとって“お茶はどれも大体同じ”のイメージがあり期待感を持ちづらいカテゴリーになっていると分析する。そこで同社は、“キリンのものづくりへの思い”と“生茶のテクノロジー”を注ぎ込んだこだわりの新商品「生茶 リッチ」を開発したという。
キリンビバレッジ社マーケティング部の高橋惇紀さんは次のように語る。「緑茶飲料を飲まれるお客様は回遊性が高く、どれも大体同じなので何でもいいと思われている方が多い傾向とみている。そこで、われわれは“生茶”のテクノロジーを駆使し、味覚の面で驚きやおいしさをしっかりお伝えすることにした。緑茶カテゴリーに新しい選択肢を提案したい」。
「生茶 リッチ」では「微粉砕かぶせ茶」を通常の「生茶」の10倍使用し、8時間かけて粉砕することにより、茶粉の粉っぽさが感じられないよう仕上げた。さらに、抽出温度を通常より低い45度をベースにしつつ複数の温度帯にすることで、苦みと渋みを抑えながら深みや甘みのある味わいを目指した。
高橋さんは次のように語る。「微粉砕茶葉を10倍入れることによって、クリーミーな甘みやコク感、そして余韻が広がる。テクスチャー(飲み心地)は10倍入っているため通常なら粉感で飲みづらくなるところだが、8時間以上かけて粉砕し続けているので飲みやすくなっている」。
パッケージは緑茶カテゴリーでは珍しい高級感のある黒色を採用することで視認性を上げ、新しい商品を探す消費者の目に留まりやすいデザインとした。
同社マーケティング部の田代美帆ブランドマネージャーは、「ここ数年、マインドフルネスなどが注目されている。慌ただしい日常の中でのちょっとした休憩時に、心をととのえる上質な休息をもたらすペットボトル緑茶として、新たな価値を提案し、緑茶市場を活性化させたい」としている。
緑茶飲料で増加する「濃い」でなく、「深い」味わいが特徴の新商品。「生茶」の進化系として定着すれば、緑茶飲料の新ジャンルになりそうだ。