サイフォンコーヒーの抽出世界大会でUCC中井千香子さんが世界第2位、4年ぶり開催の「ワールド サイフォニスト チャンピオンシップ2023」
サイフォンを使ったコーヒー抽出技術を競う世界大会「ワールド サイフォニスト チャンピオンシップ(WSC)2023」が、9月29日に東京国際展示場(東京都江東区)で開催された。日本からは「UCCコーヒーアカデミー」神戸校専任講師の中井千香子さんが出場し、世界第2位となった。
サイフォンとは、ロート、フィルター、フラスコなどからなるコーヒー抽出器具のひとつ。下のフラスコに水を入れて加熱すると沸騰したお湯が上部のロートへと移動し、ロートに入れてあるコーヒーの粉と接触して抽出される仕組みとなっている。見た目が華やかなだけではなく、しっかりした味と香りが楽しめることが特徴だ。
「WSC2023」には、中国やタイなど5つの国と地域から代表選手が出場した。選手は、持ち時間の15分間で味わいなどについてプレゼンテーションを行い、サイフォンで抽出したブレンドコーヒーと、独自にアレンジしたシグニチャービバレッジ(創作ドリンク)を審査員に提供。中井さんは、それら抽出技術や味わいなどが総合的に評価され、準優勝に輝いた。
中井さんは、2019年に開催された「ジャパン サイフォニスト チャンピオンシップ2019」で優勝し、日本代表としてWSCに出場する権利を得ていた。しかし、世界大会はコロナ禍の影響により延期が続き、今回4年越しでの開催となった。
UCCグループは「WSC2023」に向けて中井さんを全面的にサポートするため、UCCの各部署から精鋭を募り、「Team UCC」を結成。中井さんは、大会の開催の可否を毎年気にしながら、ブレンドの焙煎や配合率、味を均一に保つトレーニングのほか、英語でのプレゼンテーション向上などに取り組んできた。
コーヒーは、急激な経済成長を遂げているアジアなどでも多く飲まれるようになり、愛飲者が増えており、ユーザーの広がりとともに、コーヒーのいれ方や嗜好のトレンドは変化しているとされる。その中で、中井さんの第2位の結果は、日本の技術力やトレンドの発信力の高さを改めて世界に示した格好となり、コーヒー業界にとって明るい材料になりそうだ。