「午後の紅茶」が濃厚ミルクティーを立て続けに発売、無糖全盛期にあえて有糖タイプを提案するワケ/キリンビバレッジ

キリンビバレッジ「午後の紅茶 TEA SELECTION ザ・ミルクティー イングリッシュブレンド」「同 クリーミーラテ」
キリンビバレッジ「午後の紅茶 TEA SELECTION ザ・ミルクティー イングリッシュブレンド」「同 クリーミーラテ」

キリンビバレッジは、秋冬にかけて紅茶飲料トップブランド「午後の紅茶」のミルクティーカテゴリーを強化している。新商品は、10月17日に「午後の紅茶 TEA SELECTION ザ・ミルクティー イングリッシュブレンド」を、12月5日に「同 クリーミーラテ」(各400mlPET/173円税別)を発売する。

「午後の紅茶 TEA SELECTION」シリーズは、“ちょっと上質で、ちょっといい休息を。”をコンセプトにした、大人の心を満たすこだわりの紅茶として今年7月からスタートした。今回のミルクティー新商品は、同シリーズの第3弾、第4弾となる。

清涼飲料市場では、無糖カテゴリーが活性化し、紅茶飲料でも無糖タイプの商品が増えた。そのような状況の中、「午後の紅茶」は有糖ミルクティーのラインアップを強化する。

キリンビバレッジ午後の紅茶飲み比べ体験会
「午後の紅茶 TEA SELECTION」シリーズ4品

その背景には、ミルクティーカテゴリーが1年の中でも秋から冬にかけて消費量が拡大傾向にあること。そして、同社調査から、生活者の飲み物に対するニーズとして、“自分へのご褒美”“味が濃い”“ちょっと贅沢な気分になる”が高まっていることがわかったためという。

新商品の「午後の紅茶 TEA SELECTION ザ・ミルクティー イングリッシュブレンド」は、茶葉を「午後の紅茶 ミルクティー」の1.5倍使用した濃厚なミルクティー。ブレンドにこだわり、「ウバ茶葉」と「アッサム茶葉」を組み合わせ、口に含んだ時の香り高さと心地よい苦み、渋みを味わえるよう仕上げた。

商品開発研究所飲料開発担当の鈴木梢さんは次のように話す。「開発にあたっては、市場にある商品やショップのさまざまなミルクティーを試しました。開発する上で重視したのは、ミルクと茶葉の配合のバランスです。茶葉量を増やしただけでは満足いくおいしさにはなりません。甘さでなく紅茶の味わいを出すことに苦労し、開発には半年以上を費やしました。甘すぎず、大人の方にも楽しんでいただける味わいを目指しました」。

12月に発売される「午後の紅茶 TEA SELECTION クリーミーラテ」は、ミルクの濃厚さを生かすことのできる「キャンディ茶葉」と、生クリームを使用した。アプリコットやピーチのフレーバーをブレンドした華やかな香りが特徴。ホットとアイス両方での飲用が可能で、ホットではフレーバーの甘みが、アイスでは濃厚なミルク感が楽しめる設計とした。

同商品開発担当の長井美保さんは、「牛乳量を増やすだけでは求めていた贅沢感・濃厚感からはほど遠いものでした。そこで、ミルクの濃厚さを生かせるキャンディ茶葉と生クリームを使用しました」としている。

今回のミルクティー商品の強化について、マーケティング部ブランド担当の大竹野晋平さんは、次のように語る。「ミルクティーは紅茶カテゴリーの中で最も市場規模が大きい。その中で多様な商品展開をすることで幅広い飲用シーンに対応していきます。今後も新規ユーザーとの接点を増やすため、紅茶カテゴリー全体でお客様の瀬勝也シーンのニーズに合った商品を展開していく方針です」。

キリンビバレッジ午後の紅茶飲み比べ体験会
商品開発者が味・香りの特徴を紹介、(左から)キリンビバレッジの鈴木さん、大竹野さん、長井さん

紅茶飲料は、すっきり甘い味わいで若者が好む飲料とみられがちだった。しかし、「午後の紅茶」は“日本に紅茶文化をつくる”ことをビジョンとし、紅茶を飲みたくなる瞬間の創出と、紅茶本来のおいしさの追求により、紅茶飲料の魅力を高める取り組みを進め、市場活性化に取り組んいる。その活動により、「午後の紅茶 おいしい無糖」シリーズは1~8月累計で前年比2割増、基幹品の「午後の紅茶 ストレートティー/ミルクティー/レモンティー」も、6~8月累計で前年比2割増の販売数量となった。この秋冬はこだわりのミルクティーで市場活性化を図るねらいだ。

媒体情報

食品産業新聞

時代をリードする食品の総合紙

食品産業新聞

食品・食料に関する事件、事故が発生するたびに、消費者の食品及び食品業界に対する安心・安全への関心が高っています。また、日本の人口減少が現実のものとなる一方、食品企業や食料制度のグローバル化は急ピッチで進んでいます。さらに環境問題は食料の生産、流通、加工、消費に密接に関連していくことでしょう。食品産業新聞ではこうした日々変化する食品業界の動きや、業界が直面する問題をタイムリーに取り上げ、詳細に報道するとともに、解説、提言を行っております。

創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
主な読者:
食品メーカー、食品卸、食品量販店(スーパー、コンビニエンスストアなど)、商社、外食、行政機関など
発送:
東京、大阪の主要部は直配(当日朝配達)、その他地域は第3種郵便による配送
購読料:
3ヵ月=本体価格12,000円+税6ヵ月=本体価格23,000円+税1年=本体価格44,000円+税