UCCが日本初の飲まないコーヒー「YOINED(ヨインド)」開発、チョコレートのような見た目でもカカオ豆を使用しないコーヒー豆100%の新感覚フード
UCC上島珈琲は、日本初の独自製法により生み出した飲まないコーヒー「YOINED(ヨインド)」を、11月1日から2024年3月末まで数量限定発売する。公式オンラインストアやUCCが展開する「UCCカフェメルカード」など全国11店舖のショップで販売する。
商品化の背景には、コーヒー豆を挽いた瞬間から徐々に消えてしまう魅力的な“香り”の余韻を、もっと長く楽しんでもらうねらいがあるという。UCCは構想から約20年間研究を重ね、特許を取得した製法により商品化に至ったとする。
「YOINED」は、7.5g×6枚入りで2,700円(税込)。コーヒー豆配合量40%でキレのある苦味と心地よい酸味が楽しめる“CRAZY BLACK”と、同15%でカフェオレのようなコーヒーとミルクの調和した“MELLOW BROWN”がそれぞれ3枚ずつ入っている。
チョコレートのような見た目だが、カカオ豆を一切使用せず、コーヒー豆を100%そのまま用いた新感覚のフード。コーヒー豆を抽出することなく、まるごと粉砕しているため、飲むことでは味わえない、豆本来の甘み・酸味・苦味をダイレクトに味わえる。口にして含んだ瞬間から広がるコーヒーの香りと、食べた後も続く鼻に抜ける余韻が特徴だ。
10月26日に行われた商品発表会で、UCC上島珈琲のR&D本部研究開発部の岩井和也さんは、食べ物だからこそ、粘り気があって口にとどまるため、コーヒーの香りの余韻が長く楽しめるとし、「香りは鼻から嗅ぐよりも、口から鼻腔へ伝わる方が強く長い余韻が楽しめます」と話す。
また、特許を取得した製法については、コーヒー粉砕物とコーヒーオイルを植物油脂でコーティングすることで、新鮮なまま香りを閉じ込めること、焙煎豆を凍結粉砕することでくちどけなめらかにしたこと、カカオ豆は一切使っていないことを特徴として紹介した。
想定される食シーンについて、同社は“ひとり時間に”“お酒やコーヒーとのペアリング”“年末・バレンタインのギフト”を挙げている。
「YOINED」の発想の起点は、“焙煎したコーヒー豆の味・香りを余すことなくすべて味わうことができないか?”だったという。その結果として、たどり着いたのが飲まないコーヒーだったという。同社マーケティング本部ブランドマネジメント部の小坂朋代さんは、「飲まないコーヒーという価値の中で、私たちは“余韻”に注目した。ひとりでアートや趣味に浸る時、鮮烈なコーヒーの香りに包まれてリラックス、リセットできる商品として“YOINED”を商品化した」という。
UCC上島珈琲の里見陵副社長は次のように話した。「UCCのパーパス(存在意義)は、“より良い世界のために、コーヒーの力を解き放つ”としているが、“YOINED”はまさに体現した商品だ。開発にあたっては、社内でも特別なプロジェクトチームで取り組んだ。当社は世界初の缶コーヒーやコーヒー博物館、コーヒーの教育機関の設立など新しいことに挑戦してきたが、今回も新たな挑戦となる」。
コーヒーに向き合い続けたUCCが、香りを追求した結果、余韻に着目し、“飲む”ではなく“食べる”商品を開発したのは、コーヒーとの新しい付き合い方が始まるきっかけになるかもしれない。