飲料各社が熱中症訴求を早期化、早まる気温上昇に対応

サントリー 熱中症対策売り場
サントリー 熱中症対策売り場

昨年は記録的な猛暑により、ミネラルウォーターやスポーツドリンクなど止渇系飲料の需要が高まった。気象庁が発表している3カ月予報によると、向こう3カ月の平均気温は全国的に例年より高い傾向にある。これを踏まえ、飲料各社は熱中症対策飲料の訴求と売り場の強化を早め、通常7月ごろからの熱中症対策訴求を5月から本格的に展開する。

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サントリー食品インターナショナルは、4月9日に「GREEN DA・KA・RA」ブランドの方針説明会を実施し、同ブランドの基幹商品のリニューアル・新商品の発売に加え、熱中症対策に関する施策を5月から実施すると発表した。

「GREEN DA・KA・RA」(600ml/2LPET)は飲みやすく、「同 やさしい麦茶」(600ml/680ml/2LPET)は飲みごたえのある味に設計を調整し、さらに香ばしさが特徴の「同 国産大麦100%むぎ茶」(680mlPET)を発売することで消費者の選択肢を増やすとした。また、店頭での熱中症対策売り場の強化を2カ月前倒しして、5月からスーパーを中心に約3000店舗で行う。昨年実施した「こども気温」(大人より身長が低い子どもは、地面からの照り返しの影響を受けやすく体感する気温が高くなること)啓発活動に加え、今年から熱中症対策セミナーも実施するとしている。

コカ・コーラシステムは、“水とスポドリの良いとこ取り”がキャッチコピーの「アクエリアス NEWATER(ニューウォータ―)」(500mlPET)のパッケージを4月22日にリニューアルし、4月22日から東京・大阪・名古屋の3都市4カ所でサンプリングイベント「はたらく人の給水所」を開催している。デジタル含め同商品を計50万本サンプリングし、会場ではAIの表情解析システムを用いた診断体験コンテンツを提供している。

コカ・コーラシステム 「はたらく人の給水所」
コカ・コーラシステム 「はたらく人の給水所」

日本コカ・コーラマーケティング本部スポーツ事業部の川瀬保菜未シニアブランドマネジャーは次のように語る。「暑い環境に体を少しずつ慣れさせる“暑熱順化”も重要だと考えており、通常6月末から行うPOPなどを使用した店頭での売り場強化を今年は5月に前倒しして実施する」。

キリンビバレッジは5月28日、「キリン 世界のkitchenから ソルティライチ」(500mlPET/1.5LPET/300gパウチ)と「同 ソルティライチベース」(500mlPET)のパッケージをリニューアルして発売する。

同商品は発売時から「塩分・水分補給」の訴求を継続している。今回のリニューアルでは熱中症対策の重要性が高まることから、同商品の「おいしく、こまめに塩分・水分補給」ができる価値を、より分かりやすく伝えるデザインに仕上げたという。

また、キリンビバレッジは2019年から社員の「熱中症対策アドバイザー」資格取得を推進しており、昨年は資格を持つ286名の社員が全国各地で「熱中症対策セミナー」を行った。今年も啓発活動に注力するとしている。

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発行:
昭和26年(1951年)3月1日
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