見た目も華やかなフルーツコーヒー、アジアを中心に若者から人気
今年(2024年)も猛暑が予想され、止渇系飲料や熱中症対策飲料と同様に、アイスコーヒーの飲用が増加する推測される。UCC上島珈琲が実施した「アイスコーヒーに関する実態調査アンケート」(2024年5月22日発表)によると、「年間を通してホットとアイスのコーヒーのどちらを飲むことが多いか」という質問に、回答者全体ではアイスコーヒーと回答した人が37%だったことに対し、20代の回答者のみの結果ではアイスコーヒーと回答した人は51.7%と、アイスコーヒーは特に若年層からの人気が高いことがわかる。
そうした中で近年、ベトナムやタイ、韓国など気温の高いアジアの国を中心に飲まれているフルーツコーヒーが注目を集めている。フルーツは爽やかな味わいから浅煎りのすっきりとしたアイスコーヒーとの組み合わせに使用されており、見た目の華やかさや爽やかな味わいから若年層に支持され、SNSなどで反響を呼んでいる。
ひと口にフルーツコーヒーと言っても、コーヒーにフルーツやシロップを入れてアレンジするものから、コーヒーをフルーツジュースで割るもの、果皮をドリッパーに見立てて豆にフルーツの香りを移しながら抽出するものなどさまざまだ。
UCC上島珈琲は、夏に向けてアイスコーヒーで作るフルーツコーヒーを訴求していくとした。6月18日に行われた試飲体験会では、UCCグループが展開するコーヒーマシン「ドリップポッド」のコーヒーカプセル「サマーブレンド2024」(12個入り、7月発売)を使用し、UCCコーヒーアカデミーの土井克朗講師が考案したフルーツコーヒーのアレンジレシピが提供された。
同社は今後、夏に向けてフルーツコーヒーのレシピをSNSなどを活用し発信するとしている。また、2023年に実施した“#バリスタのいないアイスコーヒー専門店”がコンセプトの「ひみつのドリップ」を、2024年7月19日~8月12日にRand表参道(東京都渋谷区)で実施し、その中でもフルーツコーヒーを提供するという。
RTD(レディ・トゥ・ドリンク)のソフトドリンクでも各社がフルーツコーヒーの商品を発売している。「クラフトボス サニーコーヒー」(500mlPET/サントリー食品インターナショナル、6月4日発売)は、コーヒーと共通の香気成分が多いレモンを組み合わせ、暑い夏に適したレモネードのような爽やかな味わいに仕上げたという。フルーティーな香りのコーヒーを中心にブレンドし、コールドブリュー(水出し)エキスを使用することで、苦さや渋みを抑えた味わいにしている。
「ジョージア フルーティーカフェ」(500mlPET/コカ・コーラシステム、4月22日発売)は、沖縄県産のパイナップルエキスなどさまざまなフルーツのトロピカルな味わいとコーヒーの風味を楽しめる。コカ・コーラシステムは同商品によって、コーヒーよりもジュースや紅茶が好きな消費者や、普段あまりコーヒーを飲まない消費者に向けて、全く新しいコーヒー体験を提供するとしている。
コロナ禍で在宅時間の増加を経験したことにより、ひと手間を加えたりアレンジした飲料を楽しむ需要が増加しているという。見た目も華やかな水出しフルーツコーヒーを飲むことは、暑い夏を乗り切る楽しみの一つになりそうだ。