若手焙煎士の登竜門「1CCC」決勝大会を開催、協賛した味の素AGFは科学的なアプローチで審査に協力
「1ST CRACK COFFEE CHALLENGE」(ファーストクラックコーヒーチャレンジ、1CCC)の決勝大会が9月13日、東京・渋谷で開催され、多くの観客で賑わった。これは、若手焙煎士の発見・育成を目指す焙煎大会で、味の素AGFがオフィシャルスポンサーを務めている。“美味しいコーヒーを作ること”で技術を競う大会・競技会が多い中、1CCCは予選において“お題の焙煎豆に近い味のコーヒー豆を焙煎すること”により技術を競う点が特徴だ。
味の素AGFは、強みであるコーヒーのアロマ分析などの技術力を生かして1CCCをサポートしている。2022年の第1回大会でオフィシャルスポンサーとして協賛し、2023年の大会から予選でガスクロマトグラフィーによるアロマ分析を開始した。2024年も第1次予選の審査は、AGFの分析により約100人の競技者のうち12人が選ばれている。
決勝は、2次予選の通過者6名により、制限時間内にテーマに沿ったプレゼンテーションとウェルカムドリンクの作成が行われ、THE ROASTERSの立野慶太さんが優勝した。
なお、決勝のジャッジメンバーとして参加した味の素AGFの浜名芳輝さんは以下のように語る。「会場の皆さんがとても楽しまれている様子を見て、本当に嬉しく思った。AGFはインスタントコーヒーなどをメインにビジネスしており、スペシャルティコーヒーのコミュニティとの接点はほとんどなかった。このような活動を通して、会社やブランドのイメージをより進化させていきたい」。優勝賞品の1つには、同社が取り組む「徳之島コーヒー生産支援プロジェクト」から「徳之島コーヒー収穫祭への招待」が贈られた。
また、アレンジのしやすさや簡便性、レギュラーコーヒーの約半分の生豆使用量で提供できることなど、インスタントコーヒーが持つ多様な価値を改めて訴求する考えから、決勝出場者6名によるインスタントコーヒーのレシピコンテストも行われた。その中で選ばれた黒田由和さんの「インスタントコーヒーを使ったノンアルコール コーヒージントニック」は、決勝当日に会場で再現され、来場者にふるまわれた。AGFの木村駿太さんは、「若い焙煎士の人たちに試していただき、インスタントコーヒーは結構使えると思っていただければ」と話した。
大会を主催するギーセンジャパンの福澤由佑代表は、「大会を重ねる中で多くの人に知ってもらえるようになった。競技者は若手だが、会場には年齢関係なくコーヒーに携わる人たちがどんどん入ってくれて、すごい良いムーブメントになってきた」と話すとともに、AGFによる科学的な分析を取り入れた審査について、「客観的に多くの人が良いと言えるものを作ることは商売において大事だ。コーヒーとテクノロジーという、ある意味で新しい市場に挑戦している」とした。