国産素材と新製法で広がる紅茶の新境地、「午後の紅茶」新シリーズ「JAPAN BLEND & CRAFT」発売/キリンビバレッジ

キリンビバレッジ「午後の紅茶 JAPAN BLEND & CRAFT グレープティー」
キリンビバレッジ「午後の紅茶 JAPAN BLEND & CRAFT グレープティー」

キリンビバレッジは12月3日、「午後の紅茶」ブランドの新シリーズ「JAPAN BLEND & CRAFT」を立ち上げ、その第1弾商品として「グレープティー」(500mlPET/190円税別)を期間限定で発売した。国産素材と日本茶の伝統技術を掛け合わせた意欲作として注目されている。

「午後の紅茶」ブランドは今回、新たな挑戦として国産茶葉と果実を組み合わせたフルーツティーを提案している。鹿児島県産紅茶葉(全茶葉の15%)と長野県産「ナガノパープル」の果汁(果汁0.1%)を使用し、日本茶の「火入れ製法」を取り入れることで、紅茶特有の香りとコクを引き出している。

11月に行われた発表会でマーケティング部の大竹野晋平主務は、「国産素材を活用し、紅茶を食卓の中心にするような商品を目指した」と語った。同商品には、紅茶文化を広げる新しい提案が詰め込まれているという。

商品開発を担当した同社開発研究所の鈴木梢主任は、「鹿児島県産の紅茶葉は深いコクと緑茶に似たまろやかさが特長である。その良さを生かすために、本来は緑茶で使う火入れ製法を採用した。また、長野県産のナガノパープルは、果実本来の甘さとみずみずしさが魅力なのでその素材の良さを引き出した」と語る。

(左から)鈴木氏、大竹野氏
(左から)鈴木氏、大竹野氏

〈紅茶が広げる新しい食卓の楽しみ〉

今回の商品は、紅茶そのものを楽しむだけでなく、食事とのペアリングにも注目しているという。発表会で紹介された生姜焼きやみたらし団子との組み合わせは、意外性がありながらも好相性だと参加者から好評だった。

例えば、生姜焼きでは、紅茶に含まれる山椒の香りがスパイスを引き立てると同時に、脂っこさをさっぱりと流す効果があるという。一方、みたらし団子では、グレープのフルーティーな香りと団子の甘さが調和し、豊かな味わいを引き出す。大竹野主務は、「紅茶が持つ新たな可能性を家庭の食卓でも楽しんでいただきたい」と語っている。

〈フルーツティーの市場背景と国産素材の意義〉

フルーツティー市場はここ数年で急成長している。キリンビバレッジによれば、2017年には約6000万キロリットルだった市場規模が、2023年には約1億4000万キロリットルへと倍増した。この成長の背景には、軽やかな甘さやフルーツの香りを求める消費者ニーズの高まりがある。

さらに、日本政策金融公庫の調査によると、69.7%の消費者が「国産品を選びたい」と回答しており、国産素材を活用した商品への期待が高まっている。「JAPAN BLEND & CRAFT グレープティー」は、こうした市場の変化に応える商品といえそうだ。

開発にあたり、現場の声に耳を傾けることも大切にされた。鈴木主任は、「生産者と直接対話を重ねる中で、素材の可能性を最大限に活かす方法を模索した」と語る。

鹿児島県では、茶葉の深いコクが紅茶と果実の組み合わせに最適であることを確認した。また、長野県では「ナガノパープル」の香りやみずみずしさをどう商品化するか、生産者と意見を交わしながら決定したという。鈴木主任は、「地域の自然と生産者の思いを紅茶に込めて届けることが、この商品の意義である」と述べた。

〈紅茶文化の未来へ向けて〉

「午後の紅茶 JAPAN BLEND & CRAFT グレープティー」は、紅茶の可能性を広げ、新しい楽しみ方を提案する商品として、忙しい日常に少しの彩りを添えたいときや、家族や友人との食事の場で、日常を豊かにしてくれる存在を目指している。紅茶文化をさらに進化させるきっかけにするねらいがあり、2025年以降も商品を投入する予定としている。

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発行:
昭和26年(1951年)3月1日
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