コーヒーを広め続けて70年、キーコーヒーが「コーヒー教室」70周年記念セミナー開催
キーコーヒーは、コーヒーの淹れ方や楽しみ方を提供する「コーヒー教室」を1955年から実施している。これまでに37万人以上が受講しており、時代を越えて日本のコーヒー文化を育んできた取り組みだ。同社は今年、コーヒー教室70周年を記念し、さまざまなイベントを実施する。1月17日に本社(東京都港区)で開催された「コーヒー教室70周年セミナー」では、コーヒー教室シニアインストラクターの金井育子さんが講師を務め、参加者がコーヒーを楽しみながら日本のコーヒー文化やコーヒー教室70年の変遷、キーコーヒーの歴史について学んだ。
キーコーヒーのコーヒー教室は開講当時、喫茶店開業予定者向けの講座として開催されたという。だが、キーコーヒーは、多くの人たちにおいしいコーヒーを体験してもらうため、百貨店などでもコーヒー教室を開催したところ人気になった。そして、教室開講から5年経った1960年には、当時開局したばかりのNETテレビ(現在のテレビ朝日)で提供番組「コーヒー教室」が放送された。同年は、コーヒー生豆の輸入自由化が始まった年でもある。1986年からは一般消費者に向けた教室を開始し、生活者のコーヒー消費・普及に貢献している。また、外部でのセミナーや展示会、主婦に向けた「ミズネットワーク活動」、直営ショップの販売員への「ミニコーヒー教室」など、同社はさまざまな形でコーヒーの知識を広めることに取り組んできた。
セミナーの後半では、金井さんがコーヒーのアレンジメニューを参加者の目の前で調理し、提供した。シェイカーを使いアイスクリームやシロップと混ぜたコーヒー、ブランデーを使いコーヒーカップの中でフランベするコーヒー、液面に生クリームと卵黄をトッピングしたコーヒーなどに参加者は驚きつつ試飲を楽しんだ。
金井さんは記念セミナーを開催するにあたり、「純喫茶ブームなどによって興味を持ってくれた受講者に、コーヒー教室が70年間取り組んできたことや自分の経験を伝えたい。コーヒーのおいしさ、面白さを肌で感じてほしい」と話した。
現在のコーヒー教室は、受講者の目的やレベルに合わせた約12種類のセミナーを常設し、年に100回以上開催している。また、コロナ禍以降は動画コンテンツの配信や公式インスタグラムでのライブ配信なども行っており、時代に合わせてコーヒー教室は進化しているという。
コーヒーの未来を担う若年層に向けては、夏休み・冬休みの親子セミナー、武蔵野大学附属千代田高等学院の高校生131名に向けた「出張コーヒーセミナー」などのリアルイベントのほか、SNS・ホームページ・「おしごと年鑑」などでアレンジレシピを紹介するなど、オンライン上での取り組みも強化し、消費者との接点を増やしている。
金井さんは、「コーヒー教室の最大のテーマは“コーヒーのおいしさに出会ってもらう”こと。受講者からおいしい、新しい発見があったという声をもらうことが一番嬉しい」と語った。
キーコーヒーの柴田社長は、コーヒー教室の長年の活動について以下のようにコメントしている。「開講した当時の日本では、まだコーヒーが身近なものとは言えず、喫茶店で働く人々でさえコーヒーに関する正しい知識を持っていないこともあった。そうした中で、『コーヒー教室』はコーヒーに関する知識を広め、コーヒーの楽しみ方を普及し続けてきた。この先もコーヒーの楽しみ方や喫茶の魅力を生活者の方々に伝え、日本の喫茶文化を継承していきたい」
キーコーヒーは今後、「70周年特別セミナー」として、2月7日に2度目の「コーヒー教室70周年セミナー」、2月25日に「トアルコ トラジャセミナー」、3月17日と26日に「焙煎セミナー」の開催を予定しており、他にも70周年を記念したさまざまなイベントを開催する予定だ。