コーヒー消費0.4%減、ホット需要減と生豆高騰で

コーヒーの国内消費量の推移
コーヒーの国内消費量の推移

コーヒーの2024年国内消費量は、前年比0.4%減の40万218トンとなった(全日本コーヒー協会調べ、速報ベース)。

猛暑でホットコーヒーの需要が減ったことや、コーヒー生豆が2024年11月にニューヨーク市場で47年ぶりの高値をつけるなど、記録的な相場上昇により製品の価格改定が相次いだことが消費量減少の一因となった。缶コーヒーの販売減少も影響している。

一方、マイナス要因が大きい中で微減にとどまったのは、外食店で訪日外国人のインバウンド需要が高まったほか、家庭用製品は在宅需要の増加を受けて、豆製品やカフェインレスコーヒー、簡便なスティックタイプの製品が好調だったことが挙げられる。

消費量の回復に向けては、価格が上昇する中で消費者に納得して購入してもらうため、価値訴求がカギとなる。また、猛暑や残暑が続いてホットコーヒーのニーズが減っている分、アイスコーヒーをこれまで以上に定着させることもポイントだ。

家庭用コーヒーは、水出しタイプ(水で抽出したコーヒー、苦みを抑えたマイルドな味わいが特徴)を入口にしたレギュラーコーヒーならではのアイスコーヒーの訴求や、経済性の高いインスタントコーヒーにおいては、スティックの品揃え強化が行われている。各社は若年層にもアプローチすることで、市場活性化を図っている。

コーヒー 国別消費量の上位国(2023年)
コーヒー 世界の国別消費量の上位国(2023年)

国別の消費量(2023年)をみると、1位アメリカ、2位ブラジル、3位ドイツに次いで日本は4位となり、コーヒーの一大消費国であることがわかる(出所:ICO〈国際コーヒー機関〉統計、2024年7月発表)。

日本のコーヒー需要は世界的にも高く、底堅いといえる。市場成長に向けては、生活者が安心して飲めるような品質を維持して提供し続けることが重要だ。そして、多様なニーズに応える商品の開発や、アイスコーヒー市場の強化が鍵になる。

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昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
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