「アサヒ 颯」が中味・パッケージを刷新、“賛否両論”を乗り越え20-30代が好む味わいへ
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アサヒ飲料は3月4日、緑茶飲料「アサヒ 颯」(620mlPET、他5品)の中味・パッケージをリニューアルして発売する。微発酵茶葉を使用した「香る爽快緑茶」として展開していく。
同製品は、2023年の発売から売上累計本数が2億本を突破した。“華やかな香り”や“すっきりとした味わい”が評価されたという。
緑茶飲料カテゴリーでは後発ということもあり、アサヒは初年度から攻勢をかけて店頭で存在感を出す取り組みを行った。2年目の2024年は、独特な味わいにより消費者から賛否両論の声が寄せられたことをCMの題材に、“賛否両論”をテーマにしたコミュニケーションを行って話題を集めた。
だが、どの飲料売り場にも置いてあるほどの市場定着までには至っていないこともあり、2025年は「新時代の緑茶」として独自性を訴求し、存在感を高めていく。緑茶らしさが現行品より感じられる味わいにするとともに、20-30代の若年層をターゲットにおいて活動する考えだ。
もともと若年層から支持されていたブランドだったが、飲料の主要購買層は40-50代のため、同社はこれまで若年層がターゲットだとは表明していなかった。だが、2024年の緑茶飲料市場において、20-30代の若年層の売上伸長率が2021年比で110%超(※)となったことから、若年層の取り込みに注力することにしたという。
※インテージSCI,期間:2021年-2024年、品目:緑茶(ドライ)400-700ml、本数ベース
アサヒ飲料マーケティング二部の高橋徹部長は、「アサヒ 颯」について、「突き抜ける爽快感で、歩みを止めない人を応援していくことを“颯”の存在価値とした。華やかな香りとすっきりとした後味、ミントグリーン使用のパッケージなど、新時代の緑茶として固定観念を打破していきたい」と話す。
現行品は、微発酵茶葉で、すっきりさや香りが特徴の茶葉を使用している。今回のリニューアルでは焙煎を改良し、これまで以上に香り高く、爽快な味わいを目指したとしている。
同社の調べでは、ターゲットである20-30代の緑茶飲料に対する嗜好が、5年前に比べて“ほどよい渋みがある”のニーズが下がり、“ゴクゴク飲める”、“口の中がさっぱりする”のニーズが高まり、すっきりした味わいに変わってきているという。
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パッケージは、ミントグリーンの色を使用することで、新しさと緑茶らしさが伝わるデザインに刷新した。ミントグリーンで爽やかな解放感を、メタリックで突き抜けるスピード感を表現しているという。また、黄緑キャップでも緑茶らしさを表わした。
コミュニケーションでは、「香リフレッシュ!」をテーマに広告や消費者キャンペーンを展開する。3月4日から放映するテレビCMには、俳優の仲里依紗さんが出演する。同社は、仲さんの起用について、俳優として活躍するとともに、インスタグラムやYouTubeチャンネルなどで発信していることも理由に挙げた。
アサヒ飲料の調べでは、6割以上の人が仕事中は気分転換のために「飲み物を飲むことで気分を切り替えている」と答えており、飲み物が重要なリフレッシュアイテムになっているという。香りでリフレッシュニーズを満たす「新時代の緑茶」として、コミュニケーション活動を行う考えだ。

3月3日に都内で開催されたCM発表会で、仲さんは「新生活が“アサヒ颯”とともに素敵な新時代になりますように、私もみなさんの背中を押していきたいです」と話した。
緑茶飲料は、2024年に続いて2025年も各社が相次いでリニューアルするなど、清涼飲料の中で最も競争の激しいカテゴリーだ。それぞれの会社が差別化を図り、独自価値を訴求している。
その中で「アサヒ 颯」は、微発酵茶葉を使用するなど、もともと味わいで固定観念を打破している。2025年は、新パッケージと新コミュニケーションで差別化を進め、「新時代の緑茶」として定着を図る考えだ。