「クラフトボス」がアレンジティーでカフェユーザー狙う、「世界のTEA」シリーズ発売/サントリー食品

サントリー食品インターナショナルは3月6日、「クラフトボス」ブランドから新たなティーシリーズとして「クラフトボス 世界のTEA」を発表した。世界のティーカルチャーに着目し、多様な茶葉やフルーツを組み合わせたアレンジティー4品を展開する。
新製品は、3月18日に発売する「クラフトボス フルーツティーエード」「クラフトボス ティーレモネードwithクールライム」と、4月15日に発売する「クラフトボス ブルー セイロンティー無糖」「クラフトボス 贅沢ミルクティー」(各600mlPET)の計4品。
〈「働く人の変化」に寄り添い進化してきたボス〉
サントリーは1992年に「ボス」ブランドを立ち上げ、働く人のライフスタイルに合わせた嗜好飲料を提案してきた。2017年にはペットボトルコーヒー「クラフトボス」を発売し、すっきりとした味わいと洗練されたボトルデザインにより幅広い層に支持されている。コーヒーだけでなく、紅茶や抹茶ラテなども展開し、多様化する働き方や嗜好の変化を捉えた商品開発を進めてきた。そして、新たに注目したのがアレンジティーだ。
〈世界的なアレンジティートレンドと市場の変化〉
近年、世界のカフェ市場は、同社によれば紅茶にとどまらずアレンジティーの人気が拡大しているという。果汁や乳を組み合わせた多彩なバリエーションが登場したほか、ヘルシー志向の高まりも追い風になっているそうだ。アレンジティーは紅茶カテゴリーに新しい価値をもたらし、従来の紅茶ユーザー以外にも訴求できる点が強みとなっている。
サントリー食品インターナショナルのブランドマーケティング本部の久米さやか課長は次のように話す。「国内市場でも、カフェや専門店でアレンジティーが増加し、新たな需要が生まれている。日本のカフェでのティー飲用者数は、当社調べで2019年から2024年にかけて約12%伸びた。こうしたトレンドを受け、多様な嗜好を捉えた豊富なバリエーション提案で幅広い価値創造の可能性を感じ、“クラフトボス 世界のTEA”シリーズを展開していく」。
国内で紅茶飲料のユーザーは、同社の調べで2300万人とみられているが、ブレンド茶・嗜好無糖茶飲料(ユーザー2100万人)や、果汁・乳性飲料(ユーザー2200万人)に流出している側面があるという。一方、カフェ・リーフユーザーは1900万人おり、同社はその伸びに着目したという。
カフェユーザーへのアプローチに関しては、「クラフトボス 甘くないイタリアーノ」からの学びがあったとする。それは、カフェをはじめとする新規ユーザーから選択される商品になったことから、「甘くないイタリアーノ」のユーザーの約39%がペットコーヒーの新規ユーザーだったことだ。同製品は、前年比で140%まで成長している。
「世界のTEA」シリーズは、紅茶にとどまらないアレンジティーの提案を通じて、新たなカテゴリーを創出し、新規ユーザーからの支持を集めて市場拡大を目指す。味わいは、サントリーが培ってきたブレンドや抽出、乳感や果実感を引き出す技術、茶葉をはじめとする素材を既成概念に捉われず自由自在にブレンドして作り上げたという。グローバルで展開している強みも発揮できそうだ。同社は、2028年までに「クラフトボス 世界のTEA」を1,000万ケース規模まで成長させる計画としている。
〈コミュニケーションは“宇宙四姉妹”のテレビCMなど展開〉

また、同社は3月6日に「クラフトボス 世界のTEA」のCM発表会を行った。会場では、3月18日から放映される「宇宙人ジョーンズの地球調査シリーズ」のCMにおいて、“宇宙人四姉妹”役で出演する杉咲花さん、河合優実さん、伊藤沙莉さんが登壇し、松たか子さんがビデオメッセージで出演した。CM内では「紅茶じゃなくてTEA」のセリフなど、これまでの紅茶飲料との違いを伝えている。
今後は、事前体験キャンペーンやウェブ広告、テレビCMなどを活用し、大規模なプロモーションを展開する予定。そして、市場の反応を見ながら商品ラインアップを拡充するとしている。
なお、なぜコーヒーで知られる「クラフトボス」シリーズで、紅茶飲料を展開するのかについて、同社は以下のように説明する。
「“ボス”は、働く人のライフスタイルに寄り添うブランドとして成長してきた。調査の結果、紅茶を含めた嗜好性のある茶飲料がリフレッシュの場面で多く飲まれていることが分かり、“クラフトボス”ブランドのコンセプトに合致すると判断。これにより、ティー市場への新たな切り口として“クラフトボス 世界のTEA”を展開することにしたという。
〈「クラフトボス 世界のTEA」の製品ラインアップ〉

「クラフトボス 世界のTEA」シリーズのラインアップは以下の通り。
「クラフトボス フルーツティーエード ピーチ&マンゴー」は、台湾のドリンク文化をヒントに、ピーチとマンゴーの濃厚な味わいに紅茶と烏龍茶をブレンド。華やかさと爽やかさが両立した味わいという。
「クラフトボス ティーレモネードwithクールライム」は、アメリカで定番のティーレモネードをアレンジ。爽やかな香りが特徴のヌワラエリア茶葉100%使用し、レモンピール香るティーレモネードにライム果汁を加え、すっきりした味わいに。
「クラフトボス ブルー セイロンティー無糖」は、セイロンティーをベースに、発酵度の異なる紅茶と「青茶」とも呼ばれる烏龍茶をブレンド。香り高く、後ギレの良い新感覚の無糖紅茶を目指した。
「クラフトボス 贅沢ミルクティー」は、イギリスの濃厚なミルクティー文化を参考に、アッサム茶葉をメインにブレンド。練乳を加え、コク深いミルク感にしたという。