ミネラルウォーターの生産量が5年連続で過去最高、初の500万キロリットル突破で2010年比2倍に、金額は前年比2ケタ増の4906億円

2024年(1~12月)のミネラルウォーターの生産数量は、国産品が前年を上回り、5年連続で過去最高となった。一般社団法人日本ミネラルウォーター協会が3月31日に発表した生産・輸入数量の調査結果によると、2024年のミネラルウォーター類の国内生産量は502万9504キロリットル(前年比104.1%)、輸入量は12万3802キロリットル(74.8%)で、合計515万3306キロリットル(103.1%)となった。市場規模は20年前(2004年)と比べて約3.2倍、東日本大震災前の2010年と比べて約2.1倍に拡大している。
背景には、生活者がミネラルウォーターを日常の飲料水として定着させていることが大きいとみられる。国産品は家庭需要に支えられて5年連続で生産量が伸びた。一方で輸入品は、飲食店の回復の遅れや国内ブランドの拡充などの影響を受けて5年連続で減少した。
金額ベースでは、国内生産が4794億5500万円(113.8%)、輸入が111億2500万円(89.2%)で、合計4906億円(113.1%)と過去最高を更新した。
日本ミネラルウォーター協会は次のようにコメントしている。 「ミネラルウォーターは料理や乳児用ミルクなどにも利用され、生活の中の必需品として定着しています。地下水を起源とするミネラルウォーター類がさらに成長していくためには、資源を枯渇させない水源の保護・涵養がなによりも大切です。また、ESGなど環境への対策も欠かせません。自然からの恵みであることを深く認識し、地下水保全・環境保全に努めていくことが一層求められると思います」。
〈災害備蓄や食品ロスの観点からも注目〉
東日本大震災以降、また近年の地震や豪雨などの自然災害の頻発により、「生命を守る水」としての役割が改めて注目されている。行政や家庭、企業、地域で万が一のための保存水の備蓄が進む一方、食品ロス削減の観点から、賞味期限切れによる廃棄を減らす工夫も求められている。
〈1人あたり年間消費量は41.6リットル〉
日本国民1人あたりの年間消費量は、2024年は41.6リットルとなった。前年から1.4リットル増加し、5年前と比べても9.9リットル増えている。ただし、国内市場は成長が続く一方、海外主要国との差は依然として大きい。アメリカ(125.7リットル/2023年調査)やイタリア(204.3リットル/同)などと比べると、日本の水準はまだ低い。
協会では、「ミネラルウォーターは、今や生活の中に根付く必需品となっており、今後も持続的な成長が期待されます」などとしている。