「生茶」18年ぶりに3000万ケース突破、“持ち物としての価値”が響いた若年層から支持拡大、2025年は日常を彩る価値提案/キリンビバレッジ

「生茶」(本体)と「生茶ほうじ煎茶」
「生茶」(本体)と「生茶ほうじ煎茶」

キリンビバレッジは、2024年に「生茶」のリニューアルを行い、18年ぶりに3000万ケースを突破した(同社調べ)。年間販売数量は、年初目標の2750万ケースを大きく上回る3123万ケースを達成。リニューアルから2年目となる2025年は、ブランド価値をさらに高めることを目指す。4月10日には「キリン 生茶 大ヒット御礼発表会」が都内で開催された。

◆2024年のリニューアル成功とその背景

「生茶」の2024年のリニューアルは、単なるパッケージ変更にとどまらず、ペットボトル緑茶を「持ち物」としての価値に着目し、消費者の日常に寄り添う新しい形態を提案した。リニューアル後、「生茶」(本体)は前年比110%、また「生茶ほうじ煎茶」は前年比160%と、市場を上回る成長を記録した(同社調べ)。特に、お茶への関心が薄い20代・30代の若年層の支持が顕著だったという(出典:インテージSCI、20-30歳ドライ市場、2024年1-12月)。

キリンビバレッジ マーケティング部の森部勇ブランドマネージャーは、販売好調の要因として、「お客様の日常に寄り添うことで、緑茶飲料としての価値を再定義し、持ち物としても魅力的な存在にすることができた」と語った。また、消費スタイルについても触れ、「ペットボトルの緑茶を一気に飲む人は少なく、持ち歩きながら1日かけて飲まれる方が多い。だからこそ、緑茶飲料の価値を“持ち物”として捉え、そのデザインや使用感にこだわった」と述べた。

◆2025年は日常を彩る新たな提案、「生茶 LIFE&TEAアクション」スタート

2025年4月、キリンビバレッジは「生茶 LIFE&TEAアクション」をスタートした。この新たな取り組みは、消費者のライフスタイルに寄り添い、気分を上げる瞬間を提供することを目指すもの。日常からアートをつくる体験や、ファッションブランド、アーティストとのコラボキャンペーンなど、さまざまな取り組みを展開する。

生茶の新しいパッケージ(525ml, 600mlペットボトル限定)には、「生茶 LIFE&TEAアクション」サイトに遷移する二次元コードが期間限定で貼付。サイトでは、日常の写真や、XのアカウントをAIが分析し、「生茶 LIFEアート」を作ることができる。

また、ファッションブランド「B:MING by BEAMS」(ビーミング by ビームス)とのコラボレーションでは、洋服などを開発している。

森部氏は、「単に飲み物としての価値を超えて、日常の中で素敵な瞬間を作り出すことに注力していきたい」と述べた。

◆新CMには鈴木亮平さんと出口夏希さんが出演

「キリン 生茶 大ヒット御礼発表会」に登壇した出口さん(左)と鈴木さん
「キリン 生茶 大ヒット御礼発表会」に登壇した出口さん(左)と鈴木さん

「生茶」のCMには、ブランドアンバサダーとして、俳優の鈴木亮平さんと女優の出口夏希さんが出演する。鈴木さんは、「3000万ケースを達成したことを聞いて驚きました。これからの季節にぴったりな“生茶”を皆さんもぜひ楽しんでください」と語り、出口さんは「私自身も“生茶”を日常的に楽しんでおり、このブランドの一員としてお手伝いできることを嬉しく思います」とコメントした。

4月15日から放映される新CM「きもちよさ、と生きていく」篇では、鈴木さんと出口さんがそれぞれのシーンでリラックスした表情を見せ、何気ない日常を気持ちよく過ごす姿が描かれている。「生茶」が新しいライフスタイルにどのように寄り添うかを伝える内容だ。

◆4月15日からパッケージと味覚をさらに進化

2025年には、25周年を迎える「生茶」のパッケージと味覚をさらに進化させる。4月15日から、現代的で上品なデザインを保ちつつ、茶葉の生命力が感じられるデザインに変更する。また、味覚のリニューアルでは、新茶のような甘みと爽やかな香りが楽しめ、後味がすっきりとした飲みやすさを提供する考え。

「生茶」は、単なる飲み物ではなく、消費者の日常に溶け込み、気分を上げる価値を提供することでブランド価値を高めるねらい。新たなコラボレーションやプロモーションを展開し、消費者とのつながりを深めていく。

媒体情報

食品産業新聞

時代をリードする食品の総合紙

食品産業新聞

食品・食料に関する事件、事故が発生するたびに、消費者の食品及び食品業界に対する安心・安全への関心が高っています。また、日本の人口減少が現実のものとなる一方、食品企業や食料制度のグローバル化は急ピッチで進んでいます。さらに環境問題は食料の生産、流通、加工、消費に密接に関連していくことでしょう。食品産業新聞ではこうした日々変化する食品業界の動きや、業界が直面する問題をタイムリーに取り上げ、詳細に報道するとともに、解説、提言を行っております。

創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
主な読者:
食品メーカー、食品卸、食品量販店(スーパー、コンビニエンスストアなど)、商社、外食、行政機関など
発送:
東京、大阪の主要部は直配(当日朝配達)、その他地域は第3種郵便による配送
購読料:
3ヵ月=税込15,811円、6ヵ月=税込30,305円、1年=税込57,974円