食品業界、春のイベントに期待-ハロウィンの次はイースター

ハロウィンの次はイースター。2011年からキユーピーが外・中食などにイースターを盛り上げるタマゴメニューを提案して浸透してきたが、ここ1~2年は菓子メーカーなどが限定パッケージ品を発売し成果を上げている。今期は4月16日のイースター当日までイオンが全国1300店舗で「レッツ スタート イースターパーティー」を開催する。世間の盛り上がりのわりに食品業界には恩恵の少なかったハロウィンに対し、食品に関連するイースターは春のイベントとして成長が期待される。

イースター(復活祭)は十字架にかけられて死んだイエスキリストが3日後に復活したことを記念するキリスト教では最も重要な祭(行事)と言われる。教会ではその前から厳粛な礼拝が行われる。それはさておき、国内外の宗教行事、風俗・風習を催事として商売に結び付けてきたのが我が国の食品業界。イースターも例外ではない。

催事として見た場合、イースターの利点がいくつかある。まず必ず日曜日であり、週末に向けて盛り上がること。今年は東方・西方とも4月16日だが、東西で1週間異なることが多く、1カ月以上開くこともあり、催事期間が長くなる。4月が多く、年度末の卒業、年始の入学セールの次の催事にはまる。なお西方教会はカトリック、プロテスタントを含むので主流となる。

キリスト教徒はイースター期間中にお祝いのパーティーを開くので、これも受け入れやすい。

イースターのシンボルが新しい命が誕生する象徴としてのたまごであり、パーティーなどに向け様々なメニュー展開やキャラクターとして利用できる。うさぎも多産なことからイースターバニーとして親しまれており、お菓子などにキャラクターとして登場する。

日本では11年からキユーピーがグループを挙げてイースターに取り組んでいる。シンボルのたまごに関してグループのタマゴ加工技術を前面に出し、様々なメニューを外食・中食向けに提案している。今年は黄身の白いたまご「ピュアホワイト」を使ったオムサラダなどいつもと違うメニューをカフェや居酒屋などに提案、例年以上の採用となっている。量販店とタイアップした惣菜メニューも豊富だ。アヲハタも「うきうきイースタープリン」を限定販売する。

一方、イースターパーティーに的を絞って積極的なのが菓子業界。チョコボールなど球状のお菓子をたまごに例えたり、自社キャラクターをうさぎ風にアレンジした期間限定パッケージを各社が続々と発売している。

Mizkanは今期からイースターすしを提案。カンタン酢と紫キャベツ、カレー粉でカラフルたまごピクルスを楽しむ。カゴメは子供が喜ぶ「うさぎのオムライス」などを提案している。

さらに伊藤ハムはサンリオの人気キャラクター「ぐでたま」とコラボし、ウインナーやチキンナゲットなど20品目で限定パッケージを展開、イースターパーティーを盛り上げる。

そして今期からイオンも参戦。イオンモール、イオンなど全国約1300店舗で「レッツ スタート イースターパーティー」として、「イースター温玉シーザーうどん」(はなまる)など限定メニューを提供している。

この他、セブン・イレブン、シャトレーゼ、銀座コージーコーナー、クリスピー・クリーム・ドーナツなどでも限定品を販売する。

東京ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンでのイースターイベントの成功も、食品業界にとって追い風になっていきそうだ。