コンビニ各社19年2月期中間決算 セブン売上伸長、ファミマ利益改善、ローソンは投資増で減益
セブンは前期にロイヤリティを1%減額し、減益となった。ただし、減額分78億円に対し、売り上げ増加と販管費減により実際の営業利益は32億円減と影響を抑えた。6月にはセブン&アイグループ共通の個人ID「7iD」を使ったセブン‐イレブンアプリを開始した。CVSへの来店頻度増加に貢献、さらにID活用によりグループ内での送客も狙う。
ファミリーマートはブランド統合を進める中で閉店も進め、全店売上高は減少したが、既存店売上高や営業利益が伸長した。今年11月にはブランド転換を完了し、来期以降の店舗数は微増に向かう。サークルKサンクスからのブランド転換店舗は、転換前比で日販が10%、客数が12%伸びており、今後の売り上げ増加の余地は大きい。
ローソンは、主要3社の中で最も店舗数を増やし、全店売上高の伸び率も大きい。自動釣銭機などの投資や銀行開業費用、加盟店支援関連の費用増加などで減益となった。夕夜間の強化施策により、夕夜間の日販と客単価は増加している。
ミニストップは、記録的な猛暑の中で強みのファストフード(FF)、特にコールドスイーツが好調だったものの、その他の売り上げが振るわなかった。売り場強化と強みのFFで再来店を狙い、客数増を目指す。
CVS共通の課題として、既存店客数減少がある。日本フランチャイズチェーン協会のCVS統計では、8月の既存店客数が30カ月ぶりの増加したものの、猛暑で環境要因も大きかったと見られる。各社は強みを生かして客数増に取り組む。
セブンは、前述のアプリに加え、鮮度維持期間を伸ばし廃棄リスクを下げ、いつでも商品の充実した店舗を実現する。上期の商品廃棄も低減している。また、冷凍食品の強化も進める。
ファミリーマートは中食の強化に加え、下期は新型コーヒーマシンを5400台導入する。上期にはドンキホーテホールディングスと共同実験店舗を開始した。売り上げは前年比で30%増と効果が大きい。そのまま展開はしないものの、成果を客数増の施策につなげる。
ローソンは、スマホで朝注文し、店舗で夜受け取るローソンフレッシュピック(ロピック)や、レジ待ちがいらないローソンスマホペイなどの取り組みを開始した。下期はローソン銀行を開業し、サービスの充実を図る。さらに、店内調理の「まちかど厨房」の強化やグループの成城石井コラボ商品の投入などで差別化を図り、来店動機を強化する。
〈食品産業新聞 2018年10月22日付より〉