ファミリーマート 無人決済店舗を初オープン、大田区・八洋大森学園高等学校サテライト店
ファミリーマートは4月10日、無人決済店舗を東京都大田区の「大森学園高等学校」内にオープンした。
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同社は2020年に無人決済システムを開発するTOUCH TO GO(TTG、東京都港区)と資本業務提携し、オフィス、役所、大学、バスターミナルなどにTTGのシステムを使った無人決済店を17店を出店してきたが、高校内に出店するのは初めて。
大森学園高校はコロナ過で食堂が営業できなくなり、通常の有人のコンビニエンスストアの導入も検討したが採算が合わないことから、無人決済店の導入を決めた。食堂は昼のみの営業だが、無人決済店の営業時間は7時30分から18時30分まで、生徒の部活動前後の利用や教職員の福利厚生にも対応できる。
店名は「ファミリーマート八洋大森学園高等学校/S(サテライト)店」で大森学園高校の8階に出店した。店舗面積は15平方メートルで、弁当、惣菜、パン、飲料、デザート、菓子など約400品目を取り扱う。高校生のニーズを踏まえ、1リットル入りで100円台前半と割安な紙パック入りの飲料も扱う。近隣のファミリーマートFC(フランチャイズ)加盟店がサテライト店として運営し、従業員はバックルームに1人常駐する。通常店は2人以上の従業員が常駐するため、人件費は通常店の半分以下に抑えられる。
ファミリーマートの無人決済店は、母店があるサテライト出店が原則。同じビルの中に母店と無人決済店がある場合は、商品の配送は母店のみで、無人決済店には母店から商品を運ぶことになる。今回は母店が若干離れているため、商品の納品は通常の配送便を使い、1日4回配送される。
TTGのシステムは、天井に設置されたカメラと商品棚に設置された重量計とセンサーで、入店客と手に取った商品をAI(人工知能)が認識し、出口付近に設置された無人の決済レジのディスプレイに購入商品と合計金額が自動で表示され、決済すると出口ゲートが開く。決済は現金、バーコード決済、交通系電子マネー、クレジットカードに対応する。
決済レジは1店あたり2台設置し、1台は躯体の大きい現金対応、もう1台は躯体の小さいキャッシュレスのみが通常だが、今回は1台に集中しないよう、2台とも現金対応レジにした。TTGがこれまで設置した無人決済店はファミリーマートを含めて36店で、現金決済率は平均で5割で、7割と高い店舗もあるという。
TTGでは店舗フレームにカメラや商品棚がセットにされたユニットを用意しており、組み立てて置くだけで出店ができる。今回の高校内への設置は3日間で行った。設置スペースによってユニットを2連結や4連結にすることで店舗規模を調整でき、大森学園高校の店舗は2連結タイプ。
従来は出店できなかった小スペース、採算が見込めなかった極小商圏でも出店できる。ユニット1つの最小パターンは先月31日に熊本市のバスターミナルに出店しており、7・4平方メートルの売場で約200品目を扱う。
TTGの無人決済店はファミリーマートのほか、食品スーパーの「紀ノ国屋」、アイス・菓子製造直売「シャトレーゼ」、全日本空輸(ANA)の空港売店、三菱商事系のガソリンスタンドなどでも採用されている。