KDDIがローソンにTOBで50%を取得し三菱商事と共同経営に、最新テクノロジーで未来のコンビニ目指す

左が三菱商事中西勝也社長、中央がローソン竹増貞信社長、右がKDDI髙橋誠社長CEO
左が三菱商事中西勝也社長、中央がローソン竹増貞信社長、右がKDDI髙橋誠社長CEO

KDDIは2月6日、ローソンに対してTOB(公開買付け)を実施し、株式の50%取得を目指すと発表した。ローソンの親会社の三菱商事とともにローソンの共同経営パートナーになるという。これにより、ローソンは株式を非公開化する予定。取得金額は4971億円、開始時期は4月頃としている。

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三菱商事は現在、ローソンの株式の50.1%と過半数を保有しているが、TOB成立後は三菱商事とKDDIで共に50.0%ずつと対等での共同経営を予定している。

三菱商事、KDDI、ローソンの3社は6日に記者発表会を都内で開き、今回の資本業務提携により、「リアル×デジタル×グリーン」を融合させた新たな生活者価値創出を目指すとした。

ローソンは、全国約14600店舗、1日あたりの顧客約1000万人の購買データを持ち、三菱商事は幅広い産業と国内外のネットワークがある。そして、KDDIは約2200店舗、通信契約者約3100万人の顧客接点接点を有している。3社は、各社の機能・強みをつなぐことで新たな価値を創出し、地域社会の未来創造に貢献する考えだ。

三菱商事の中西勝也社長は、「ローソンの持つ14600店のリアルな店舗に、KDDIが持つ強固な通信基盤やテクノロジーを掛け合わせ、従来のコンビニエンスストアにとどまらない新たなサービスを提供し、生活者にさらなる価値を届けることにチャレンジしたい」と話した。

KDDIの髙橋誠社長CEOは、「リアルとデジタルを融合した取り組みとして、当社の通信DXをフルに活用し、コンビニの店頭で専門の担当者がリモートにより接客することが実現できると思う。また、家計のサポート窓口として、例えば金融資産の形成の相談ができたり、オンラインで服薬指導を受けながら薬の窓口にもなれたり、スマートフォンのサポート窓口にもなれる」「リアル・デジタル・グリーンをテーマにした未来のコンビニエンスストアを三菱商事、ローソンと共に創造していく」と語った。

ローソンの竹増貞信社長は、次のように語る。「今回の提案があり、真摯に受け止めて一生懸命考えた。4つポイントがある。三菱商事とは20年来、KDDIとは足掛け5年にわたり、ローソンをどうやって街の役に立つコンビニにしていくかということで協業してきた。そこで我々の中で相当太い信頼の絆がある。次に、企業文化や社風にリスペクトし合えること。社会貢献やチャレンジをキーワードにKDDIと共有してこれまでもやってきている。3点目は、お互いに業界で強くあろうとし、そして強い企業であるということ。4つめは、“こういう社会になるといいよね”ということに向けて、役割をもっと果たしていけるように、ローソンの将来像をお互い共有して、強みを出し合って、それを追求していけると考えた」。

そして、「リアル店舗のローソンという認識をしていただいているが、グローバルリアルテックコンビニエンスを目指している。これは、リアルだけでなく、僕らはテックとしてもしっかりと社会に貢献していく。そしてそれをグローバルに展開していくというもの。そういうローソングループになっていこうと考えている」と語った。

ローソン制服で 左が三菱商事中西勝也社長、中央がローソン竹増貞信社長、右がKDDI髙橋誠社長CEO
ローソン制服 左が三菱商事中西勝也社長、中央がローソン竹増貞信社長、右がKDDI髙橋誠社長CEO