【新店レポート】まいばすけっと、横浜市で「トップバリュ」充実させた実験店「仲町台駅南店」リニューアルオープン、店内の約半数がPB商品 新たな店舗の形を模索

リニューアルオープンした「まいばすけっと 仲町台駅南店」
リニューアルオープンした「まいばすけっと 仲町台駅南店」

イオングループのまいばすけっとは3月29日、「まいばすけっと 仲町台駅南店」(横浜市都筑区)をリニューアルオープンした。イオンのプライベートブランド(PB)「トップバリュ」の商品を既存店の約2倍と充実させ、取扱商品の約半数がPBとなっている。実験店との位置づけであり、今後は成功モデルを他店にも導入することを目指す。

【関連記事】東京・晴海に「ららテラスHARUMI FLAG」オープン、東京2020大会選手村跡地「新しい街」の生活支える、核テナントは食品スーパー「サミットストア」

立地は横浜市営地下鉄ブルーラインの仲町台駅前にあり若いファミリーや学生なども多く、平均よりも客層が若いエリアだという。また、駅を挟んで反対側には「まいばすけっと仲町台駅前店」もあり、比較検証がしやすいことから実験店としてのリニューアルオープンに至ったという。

〈「小型スーパーにとって最適な商品を開発、生活必需品をより安く、より豊かな生活を提供」岩下欽哉社長〉

まいばすけっと・岩下欽哉社長
まいばすけっと・岩下欽哉社長

3月28日に開かれた内覧会でまいばすけっとの岩下欽哉社長は「リニューアルオープン後には、利用された方の声を集めて、それをもとに小型スーパーにとって最適な商品を開発できればと考えている。M・Z世代をターゲットとした商品と同時に、生活必需品をより安く地域の方々に届けて、より豊かな生活を提供していきたい」と語った。また、成功モデルを他店にも横展開していくことを目指すという。

岩下社長によれば、日本経済がインフレに進む中で、節約志向は依然として高い水準にあるため、PB商品の支持はより強まっているという。また、イオンでは将来の顧客となりうるM・Z世代へのアプローチをPB商品を通じて強めている。

〈値ごろ感のあるPB商品、若年層向け付加価値商品など充実〉

今回の店舗リニューアルでは、値ごろ感のあるPB商品に加え、若年層に向けて開発した商品や、付加価値のある商品なども充実させている。通常の「まいばすけっと」店では商品全体でPBの構成比は2割ほどだが、今回の店舗は約3,300品目のうち、約1,600品目と約半数をPB商品で揃えた。

店舗に入ってすぐのコーナーには、トップバリュに今までなかったようなM・Z世代向けの商品であるお菓子「トキメクおやつ部」シリーズや、ナッツ・ドライフルーツの「ナッツ&ジョイ」シリーズ、飲料「Bar-ish(バーリッシュ)」シリーズなどをコーナー化して固めて提案する。

店舗入ってすぐのスペースにM・Z世代向けの商品をコーナー化して提案
店舗入ってすぐのスペースにM・Z世代向けの商品をコーナー化して提案

日配品では、購買頻度の高い豆腐や納豆、麺などで値ごろ感あるPB構成比を高め、全体の売場でも最も高い約7割の構成比とした。

また、単身者も多い立地であることから、手軽で少量なチルドレディーミール(袋物惣菜)は45SKUを揃えてコーナー化した。

〈冷凍食品の売り場を倍に、200品目のPB商品を並べる〉

冷凍食品はリニューアル前から売場を倍にするとともに、200品目のPB商品を並べている。まいばすけっとの中でも人気の高い冷凍野菜は、オーガニック商品を広く揃えたほか、カット済みの商品や大容量品も充実させている。

調理冷凍食品では、ワントレー商品やパスタも充実させた。ワントレー商品は、昨今ニーズが高まっている「タイパ」や「コスパ」に応える商品として、今年1月から展開を開始した「トップバリュベストプライス ガッツリ飯×ガッツリ飯」シリーズや、おかずとごはんなどをセットにしたPB商品などを広くそろえている。パスタは、値ごろ感のある大容量商品に加え、23年12月に発売した、イタリアのパスタメーカー「バリラ」と共同で開発したPB商品も置いている。

店舗面積はリニューアル前と変わらず83坪で、冷凍を増やした分は常温の売場が削られているという。

「まいばすけっと」は都市型小型食品スーパーとして店舗を拡大しており、駅や自宅からも近い地域密着型スーパーとして展開。今年3月29日時点で1,133店舗を展開しているという。

媒体情報

食品産業新聞

時代をリードする食品の総合紙

食品産業新聞

食品・食料に関する事件、事故が発生するたびに、消費者の食品及び食品業界に対する安心・安全への関心が高っています。また、日本の人口減少が現実のものとなる一方、食品企業や食料制度のグローバル化は急ピッチで進んでいます。さらに環境問題は食料の生産、流通、加工、消費に密接に関連していくことでしょう。食品産業新聞ではこうした日々変化する食品業界の動きや、業界が直面する問題をタイムリーに取り上げ、詳細に報道するとともに、解説、提言を行っております。

創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
主な読者:
食品メーカー、食品卸、食品量販店(スーパー、コンビニエンスストアなど)、商社、外食、行政機関など
発送:
東京、大阪の主要部は直配(当日朝配達)、その他地域は第3種郵便による配送
購読料:
3ヵ月=本体価格12,000円+税6ヵ月=本体価格23,000円+税1年=本体価格44,000円+税