【新店レポート】コープ調布染地店、既存店舗の隣地に増床新築して移転オープン、コープとして地域の活性化にも協力、テナントとして郵便局、内科、歯科医院など生活に密着した15店舗が入居

コープ調布染地店 大規模団地「多摩川団地」内の立地、既存店の隣地に新築移転オープン
コープ調布染地店 大規模団地「多摩川団地」内の立地、既存店の隣地に新築移転オープン

生活協同組合コープみらい(さいたま市南区)は3月19日「コープ調布染地(そめち)店」(東京都調布市)をオープンした。既存店舗の隣地に増床新築して移転オープンしたもので、地域の再開発も進められる中、地域の活性化への貢献や、コニュニケーションの場としての役割も果たしていくという。

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〈旧店舗は買い物困難者が出ないよう、地域の要望を受け出店〉

旧店舗の「コープ調布染地店」は東京都住宅供給公社の大規模団地、多摩川住宅内に2016年、クイーンズ伊勢丹跡の居抜き店舗を利用してオープンしていた。当初から再開発を含めた話があり、団地住民も高年齢化する中、地域の買い物困難者が出ないよう、地域の要望もあって出店したという。再開発の中で住宅供給公社、地元の街づくり協議会とも協議を重ね、コープとして地域の活性化にも協力。旧店舗の隣地に新店舗として、直営売場面積を約1.5倍に増床移転してオープンした。テナントとして信用金庫、郵便局、ドラッグストア、内科・歯科医院など生活に密着した15店舗が入居し、地域に欠かせない店舗となる。

売場面積は旧店舗の約1.5倍の345坪で、年商は1.6倍の16億円を計画する。立地は最寄りの京王線国領駅から約1.3km、徒歩19分ほどの多摩川住宅(3,600戸)エリアの中にある。駅からはある程度距離があり、団地の住民や自転車・バス利用者の来店を見込む。なお、調布駅からもバスで10分弱の距離にある。

〈団地の建て替えで若いファミリー層の流入も期待〉

商圏人口は0.5km以内で4,864世帯1万0,256人で、2km圏内には約8万世帯が暮らすが、世帯当たりの人数、平均年齢ともに東京都の平均値より高く、ファミリーかつシニア世帯が多いエリアで、当面数年は60歳以上のシニア層がメインターゲットだという。

とはいえ、再開発事業が進められており、旧店舗の建物は取り壊し、2年ほど後に都市計画に基づきコミュニティの核となる広場の整備が進められる。また、既に一部で団地の建て替えが進められており、戸数も増えることから若いファミリー層の流入が期待されるという。コープみらい・コープデリ連合会の本間伸裕執行役員店舗事業本部副本部長は「当面は既存の団地にお住まいのシニアの方をターゲットに店作りをするが、再開発の中で若い方がお住まいになり、そちらも拡大していくというビジョンを描いている」という。

〈店舗をコミュニケーションの場に、IHキッチンとシンクで簡単な調理も可能〉

こうしたことから、新たに作られる広場を核としたネットワーク・社会活動づくりにもコープとしてかかわり、店舗をコミュニケーションの場としても活用するという。現在、イートインスペースとしている場所はパーテーションで仕切ったり、外の窓を全開にしたりすることが可能で、広場との行き来ができるようになっている。さらにIHキッチンやシンクも備え、簡単な調理をして提供したり、試食をしてもらうなど、住民とのコミュニケーションを意識した作りとしている。

具体的な各部門の特徴として、農産売場では産直商品を年間通して取り扱うとともに、カットフルーツ・ドライフルーツやカット野菜など簡便即食商品の品揃えを強化。旧店舗同様、調布市の地場野菜も引き続き取り扱う。

コープ調布染地店 調布の地場野菜も取り扱い、安全・安心を届けるコープ調布染地店 調布の地場野菜も取り扱い、安全・安心を届ける
コープ調布染地店 調布の地場野菜も取り扱い、安全・安心を届ける

水産売場は、シニア層からの期待も高く、対面コーナーを設置して利用者とコミュニケーションをとりながら販促を進め、売場のにぎわいを演出。作業室はガラス張りで、見える安心を提供する。一方、また、小魚コーナーを設け、カルシウム摂取をテーマに提案を進める。

畜産は、旧店舗ではプロセスセンター(コープデリフーズ)商品のみの扱いだったが、新店舗ではインストア生産を行って品揃えを強化。また生食即食品の品揃えを拡充し、ローストビーフは店内でスライスして提供する。

〈総菜はニーズに対応した「時間帯別品揃え」を実践、昼食や単身者向け商品を用意〉

惣菜はフルカテゴリーで揃え、利用者のニーズに対応した「時間帯別品揃え」を実践し、毎日の品揃えに変化を持たせた昼食需要への対応や、単身者向けの商品提供を行う。また、インストア調理によりできたての「玉子焼き」や、シニア層に人気の高い「おはぎ」にもスポットを当てた提案を行う。

お弁当では、女子栄養大学の学生たちと共同開発し、「スマートミール認証」を受けたお弁当を提案。本間執行役員によれば、価格はコープの一般的な弁当より100円ほど高い598円だが、既存店舗で非常に好評で「生協の組合員さんの特性もあるが、価格が多少高くても商品としてのコンセプト、ストーリー性を伝えられれば息の長い商品になる」と話す。なお、女子栄養大学とは2024年度も産学協定を結び、共同開発弁当を継続的に販売していくという。

コープ調布染地店 女子栄養大学と共同開発した弁当は価値が認められ好調
コープ調布染地店 女子栄養大学と共同開発した弁当は価値が認められ好調

日配・グロッサリーでは旧店舗から冷凍食品売場拡大し、アイテム数は168%に増やして品揃えを強化。また、シニア層の需要に対応し、コープ商品を中心に調味料や乾物、簡便商品、嗜好飲料(緑茶・コーヒー等)の品揃えも拡充した。

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創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
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