【新店レポート】ヤオコー武蔵浦和店、駅直結複合施設の核店舗として開店、浦和エリアでドミナント深耕

ヤオコー武蔵浦和店 外観
ヤオコー武蔵浦和店 外観

ヤオコーは5月15日、ヤオコー武蔵浦和店をオープンした。ヤオコーが運営するショッピングセンター「the market Place 武蔵浦和」の核店舗となる。

ヤオコー武蔵浦和店 店内 野菜売り場
ヤオコー武蔵浦和店 店内 野菜売り場

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同社の本拠地でもある埼玉県で100店舗目(計188店舗目)。十数年前から同所に土地を保有しており、大規模複合開発施設の一部として、10年越しでの開店となった。さいたま市の中核都市の1つであり、都心へのアクセスも良好な浦和エリアで、ヤオコーは半径2km圏内に既に2店舗を出店しており、ドミナントによるマーケットシェアのさらなる拡大を目指す。

〈「武蔵浦和駅」直結の好立地〉

立地は都心へのアクセスも良好なJR埼京線・武蔵野線の「武蔵浦和駅」西口に直結(徒歩1分)する好立地。野村不動産とジェイアール東日本都市開発を中心とする共同プロジェクトによる商住職一体型の大規模複合開発施設「プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ」に併設する商業施設「the market Place 武蔵浦和」をヤオコーが担い、その核店舗が今回のヤオコー武蔵浦和店となる。住居の総戸数は277戸で、この5月から入居が始まっている。

商業施設の「the market Place 武蔵浦和」は、100円ショップ「Seria」やドラッグストア「トモズ」をはじめ物販、サービス、クリニック、飲食店など計16店舗のテナントが入居する都市型NSCとなっている。

〈時間帯や平日・週末での売場変化に取り組み、毎日のにぎわいを表現〉

ストアコンセプトは「『美味しさ』『楽しさ』を変化で伝え、豊かな食生活を届けよう~常に発見と驚きがあり、毎日来たくなるお店づくり~」とする。時間帯や平日・週末による売場の変化に取り組むことも示しており、毎日のにぎわい、対面販売やさまざまな企画で表現していく。さらに「発見と驚き」をカテゴリー割引や単品量販名物商品などで表現していくという。

生鮮売場は、精肉では黒毛和牛の極厚ステーキを品揃えし、楽しい売り場を実現する。また、自社製造のローストビーフを使ったメニューを取り揃え、試食販売を交えて提案する。

ヤオコー武蔵浦和店 店内 精肉売り場
ヤオコー武蔵浦和店 店内 精肉売り場

鮮魚は珍しい魚種の盛り合わせや生まぐろをメインに、冊やスライス、お造り、食べ比べを品揃えし、美味しさと鮮度を追求。また、鮮魚寿司を用意し、切りたての通常より大きなネタや旬の魚種を使うなどデリカの寿司部と差別化を図る。

ヤオコー武蔵浦和店 店内 鮮魚売り場
ヤオコー武蔵浦和店 店内 鮮魚売り場

青果は高糖度などのトマトを豊富な種類で提案し、地元野菜は売場を拡大して種類豊富に用意。果物は一年を通して旬果実とカットフルーツを充実させる。また、暮らしに花を添える切り花・観葉植物は売場環境の鮮度を保つ工夫を加え提供する。

ヤオコー武蔵浦和店 店内 野菜売り場
ヤオコー武蔵浦和店 店内 野菜売り場

デリカは新たに玄米と発酵をテーマに、美味しさと健康を両立する「幸玄米」を使用。栄養価の高い玄米を店内炊飯し、出来立ての柔らかさで提供する。ライブ感あるオープンキッチンの鉄板料理や、冷惣菜「CREATIVE y’s DELI」では、店内調理にこだわり豊富な提案を行う。店内製造のおむすびは「幸玄米」のおむすびや、ボリューム感ある人気の「肉+DELI」のおむすびなどを種類豊富に提供する。

ヤオコー武蔵浦和店 店内 総菜売り場
ヤオコー武蔵浦和店 店内 総菜売り場

インストアベーカリーは、こだわりの店内製造のたまごフィリングを使ったワンハンドで食べられる出来立てのパンや揚げたてのカレーパンを提供。また、ランチに合わせた提案としてサンドイッチ・バーガーとスープのコンボもご提供する。焼きたてピザは夕方にも選べる売場づくりにこだわる。

グロッサリーで日配食品は、素材や産地にかだわった特殊豆腐を生鮮との組み合わせによるメニュー提案を合わせて提案。また、ナチュラルチーズの品揃えを強化し、他部門との連携で関連したワインやパスタ、ナッツなどを手軽に試せる食べ方提案や試食販売を実施する。

ドライ食品はスパイス類を豊富に取り揃えるほか、新たな商品としてスーパーではまだ珍しいグミサプリや韓国ナッツを品揃え強化して提案する。酒類では、ワインは高単価や大容量のマグナムボトルなども含め、店内の雰囲気に合わせて豊富に陳列する。また、駅前立地のため晩酌用の缶酎ハイ類などは冷蔵ケースを眺めに取って品揃えを強化している。

〈駅周辺は再開発エリア、ドミナント形成でシェア向上を狙う〉

武蔵浦和駅周辺は西口エリアを中心に高層マンションが立ち並び、大宮バイパス方面に進むと戸建てが並ぶエリアとなる。また、東口・西口ともに再開発地域に位置づけられ、駅周辺地区の整備やマンション建築が進んでいる。2キロ圏内には同社のヤオコー浦和パルコ店、ヤオコーまるひろ南浦和店も存在し、今回の武蔵浦和店の出店により浦和エリアでドミナントを形成し、さらなるマーケットシェアの向上を狙う。

商圏人口は1km圏内で2万5000世帯5万4000人、2km圏内で8万4000世帯17万7000人、3km圏内で15万9000世帯33万3000人とかなり多い。1km圏内の人口構成は40代後半から50代前半がボリュームゾーンだが、開発により人口・世帯数が増加傾向にあり、メインターゲットは40代の食べ盛りの子を持つファミリー層、サブターゲットとして50代の時間に余裕がありこだわりがある生活を送る層を想定しているという。

競合店は近隣にマルエツ2店舗(武蔵浦和店・ナリア武蔵浦和店)、オーケー武蔵浦和店など7店舗ほどスーパーが存在。事前調査などから、平日は駅近なこともあり小商圏高頻度来店型の買い方で、17時を境に、仕事帰りの若い層の構成比が上がり客層が大きく変化すると想定。一方、週末は少し広域から目的来店型の買い方が想定され、MDは特に17時以降の時間帯での変化と、平日と週末での変化が求められるという。

〈米国のホールフーズやウェグマンズをベンチマークに店舗開発、カナダのロブローズ店舗のエッセンスも〉

そして、10年を掛けて開発した店舗だけに、内装も海外スーパーの香りがする、非常に特徴的なものとなっている。同社はかねてから米国のホールフーズやウェグマンズをベンチマークに店舗開発を進め、磨きをかけてきたことが知られている。今回はそれらやカナダ最大手のロブローズなどの店舗のエッセンスを活かし、長年同社の店舗デザインを手掛けてきた内装デザイナーが、世代交代のタイミングで思いの丈をかけてデザインを手掛けたものだという。ただ、この内装フォーマットはイレギュラーなもので、現時点で他店に横展開する予定はないそうだ。

【「ヤオコー武蔵浦和店」店舗概要】▽住所:〒336-0027埼玉県さいたま市南区沼影1丁目8番18号▽敷地面積:1693坪(施設全体)▽延床面積:2218坪(施設全体)・944坪(ヤオコー床面積)▽店舗面積:641坪(ヤオコー売場面積)▽営業時間:9時~21時45分▽年間売上:初年度26億円(予定)▽駐車台数:70台▽従業員:正社員20人・パートナー等160人(延べ人数)

媒体情報

食品産業新聞

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創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
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食品メーカー、食品卸、食品量販店(スーパー、コンビニエンスストアなど)、商社、外食、行政機関など
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