セブン「お店で揚げたカレーパン」がギネス世界記録認定、「揚げたてカレーパンブランド」販売数で、店員の「声掛け」の後押しで新たな看板商品に育成
セブン―イレブン・ジャパンのフライヤー商材「お店で揚げたカレーパン」がこのほど、「最も販売されている揚げたてカレーパンブランド(最新年間)」としてギネス世界記録に認定され8月1日に公式認定証が贈呈された。
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2023年1~12月における累計販売数が7,698万7,667個となったことがギネス世界記録に認定されたもので、セブン―イレブンとして初めての認定となった。同日、同品を生産する武蔵野フーズのカムス第2工場(埼玉県嵐山町)で贈呈式が開催されるとともに、工場の生産ラインなどが報道公開された。
カウンターフードの「お店で揚げたカレーパン」(税抜149円)は2021年6月より、東京都・神奈川県と東海エリアの一部店舗で販売を開始し、2022年12月に販売地域を全国(什器設置が可能な店舗)に拡大した。
あいさつした矢島弘樹執行役員オペレーション本部副本部長によれば、一部エリアでのテスト販売で手応えをつかみ、店舗のオーナーや従業員といっしょに商品価値を伝えることで新たな定番として育成してきた商品。「揚げたてのカレーパンができました」などの従業員の声掛けが売上にも反映するという。また、その商品価値をどう伝えるかという中で、ギネス世界記録への挑戦というアイデアが出て早くから時間をかけて申請・取組みを行った結果、今回の認定に至ったそうだ。
矢島氏は「店舗でお客様のニーズの高い商品におにぎり、セブンカフェのコーヒー、フライヤー(揚げ物)が挙げられるが、おにぎりやセブンカフェはどちらかといえば目的買いが多いが、揚げ物、カレーパンはお店の意思で揚げて意思を持ってお客様にお勧めしてまずは衝動買いしていただく商品だ。それで一度食べていただくと美味しいということで今度は目的を持って来店していただける。今回の認定をもう一度、お客様にこの商品を知っていただくきっかけにしたい」など話した。
なお、今回の認定を期にさらに商品を知ってもらうため、8月7日~11日の5日間、同品などを29円引の税抜120円で販売するセールを実施する。
〈専用のインフラ整備が差別化されたカレーパンを実現〉
商品本部FF・冷凍食品部の米田昭彦シニアマーチャンダイザーによれば、同品の差別化された品質を実現するのは他社にはないインフラ整備だという。従来の一般的なカレーパンはルゥ製造工場からカレールゥを仕入れ、パン製造工場でパンに詰めるという製造工程を経るが、同品はインフラ整備により1つの工場にカレールゥの加熱設備、製パン設備、そして冷凍設備を備えることで他社には真似できないおいしさを実現したと強調する。
武蔵野フーズなどの武蔵野グループは、現在CVSで一般的な海苔がパリパリした手巻きおにぎりや、そのおにぎりの今では定番の具「ツナマヨ」を世に出したとされる惣菜メーカーのパイオニア的企業で、おにぎりや弁当・惣菜類はもちろん、パン・麺類なども幅広く手掛け、近年は冷凍食品も数多く生産している。
今回の「カムス第2工場」は製パン工場で、「セブンプレミアム」の食パンや菓子パン等の袋入りパン類を、季節にもよるが十数SKUほど手掛けてきた。今回の「お店で揚げたカレーパン」を生産するにあたり、カレールゥの生産設備と冷凍設備を導入したという。
カレールゥはあめ色になるまで炒めた玉ねぎを使用するとともに、30種類以上のスパイスを工場でブレンドし、赤ワインとブイヨンを加えて煮込むことで、野菜の旨味を凝縮。スパイスの風味が飛ばないうちに生地詰めし、カレーパン専用パン粉を使用して、「加温」する。米田氏によれば単なる工場と店舗の“二度揚げ”ではなく、工場では企業秘密の“加温”工程を施すことで中はフワッと、外はサクサクした食感を実現しているという。
それをすぐさまトンネルフリーザーで冷凍して美味しさを閉じ込め、袋詰めして冷凍のまま店舗に納入し、それを店舗で揚げることで、まるで出来たてのようなカレーパンが完成するという。
米田氏は「お客様の“出来たて品質”に対するニーズが高まっており、カウンターフードでは“揚げたて”のカレーパンのほか、“挽きたて”のセブンカフェ、“混ぜたて”のスムージーに加え、“焼き立て”のベーカリーと新たな挑戦も含めニーズにしっかり対応できるよう取組みを進める」と話し、“揚げたて”のパンについては今後も新商品の投入を検討しているとした。