節分の福豆「5歳以下にはあげないで」消費者庁が注意喚起、メーカーも袋裏に記載
消費者庁が厚生労働省の人口動態統計の調査票情報(2014年から6年間分)を基に、独自に分析したところ、食品の誤嚥(ごえん)による窒息で、14歳以下の子どもが80人死亡していた。そのうち5歳以下は73人で9割を占めた。
また、2010年~2020年、全国の医療機関から同庁に寄せられた情報のうち、14歳以下の子どもの食品事故情報(窒息や誤嚥)は164件あり、そのうち5歳以下の事故が141件で86%を占めていた。消費者庁が2021年から対象年齢を3歳から5歳に引き上げ、注意を呼びかけている背景はここにある。1月20日には同庁ホームページに「食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意! -気管支炎や肺炎を起こすおそれも、硬い豆やナッツ類等は5歳以下の子どもには食べさせないで-」と題しニュースリリースを配信した。
豆を製造する大手メーカーでは、今年の節分用の商品パッケージが消費者庁の対象年齢改定前に既に出来上がっていたため、袋裏の取り扱い上の注意の表示は、「大豆は、4歳未満のお子様には食べさせないでください。誤って気管に入り窒息する危険があります。また、お子様が泣いている時には食べさせないでください」(『4歳未満のお子様には食べさせないでください』の部分は赤字)となっている。
しかし昨年までの注意表示は「うまく飲みこめないことがありますので、お子さまがのどにつまらせないよう必ずそばで見守ってあげてください」であり、今年からインパクトのある表現に踏み切った(春以降の商品パッケージからは随時、消費者庁が2021年1月に新たに定めた「5歳以下」に表示を変更する予定)。
また、節分用の豆はあまり食材として使うことはないが、メニューサイト大手のクックパッドでは「節分」と検索した場合、「5歳以下のお子様には硬い豆やナッツ類を与えないようにしましょう」という注意喚起のメッセージが表示されるようになっている。
なおニュースによると2020年2月3日、島根県の松江市の認定こども園で、節分の行事中に4歳の園児が節分の豆をのどに詰まらせ死亡した事故が発生している。各家庭でも同様の事故が起きないことを祈るばかりだ。