盛り上がるハロウィン商戦 菓子・食品メーカー「親子向け」展開
ハロウィン商戦が盛り上がっている。日本記念日協会によると、2015年のハロウィン市場は前年から約11%増の1220億円となり、11年の560億円からわずか4年で約2倍へと急速に拡大している。これは日本人一人あたり約1000円を消費していることになる。1220億円という金額は、同協会が推計する記念日の中で、過去にクリスマスとバレンタインデーしか達していない。
日本のハロウィン市場が急拡大しているのは、欧米のように子ども中心の宗教的な行事でなく、対象は若者から大人まで、また参加単位は家庭から学校や職場、地域まで、幅広い世代やシーンに及ぶイベントとして定着したからだ。特に東日本大震災以降は、絆消費が高まったことが影響している。
ネットリサーチのマクロミルは、全国の10代から40代男女1000人を対象に「ハロウィンに関する意識調査2016」を実施した。ハロウィンにかける予算の平均金額は一人あたり4958円。男女別では男性5328円、女性4669円となった。14年調査時の平均金額6240円に比べ今年は1282円減ったが、消費意向のある人数は28%から64%へと大きく増加。市場には、ハロウィン向けのリーズナブルな商品が増えていることもあり、消費のすそ野は広がっている。
具体的に買うものについては、1位「かぼちゃ系スイーツ」(49%)で、2位は「可愛いグッズ」(20%)、3位は「限定の外食メニュー」(20%)となった。
こうした状況下、今秋も菓子・食品メーカー各社では、子を持つ家庭をターゲットとした商品提案を積極的に行っている。
ロッテは、パイの実やコアラのマーチなど菓子7品を対象に限定デザインの「エンジョイハロウィン」シリーズを展開。定番サイズと大容量サイズを取り揃えた。明治は、ミルクチョコレートなど大袋商品の一部で、カボチャモチーフを配した限定デザイン商品を投入するとともに、好きな菓子をテープで組み合わせてバッグや帽子を作り、これを身につけて楽しむ〝おしゃれ親子のおかしコーデキャンペーン〟を提案している。また、森永製菓傘下のアントステラが運営する焼き菓子専門店「ステラおばさんのクッキー」では、「ハロウィンフェア」を開催し、期間限定のクッキーやギフトなど12品を発売した。
近年では、ハロウィンにおけるメニュー提案も増えてきた。ハウス食品は2014年以降、カレーやシチュー中心に〝おうちでハロウィーン〟施策を行っており、今年は人気アニメーション「ツムツム」をイメージした「ディズニーツムツム ハロウィーンカレー」「同 シチュー」を特設サイトや料理レシピサイトの「クックパッド」を通して提案している。また、日本ケロッグはシリアルを使った親子向けメニュー「ハロウィンパーティーレシピ」を考案し、全国1000店舗以上でリーフレット15万部を配布する予定だ。
さらにエスビー食品では、ベビーリーフとキッチンハーブ(スィートバジル、パクチー、ルッコラ)において、ハロウィン限定パッケージ品を展開。あわせて〝食卓や料理を楽しく、フレッシュハーブでハロウィンメイク〟をテーマとしたサラダなどのレシピをウェブ上で紹介し、スパイス&ハーブの需要喚起を図っている。