10月は食品ロス削減月間、食料品の価格高騰対策としても食品ロス・リサイクル対策を
10月は食品ロス削減月間。食品ロス削減に関する理解と関心を深める様々な取組が省庁、団体・企業で行われている。日本給食サービス協会では、会員企業の食品ロス削減と食品リサイクルをさらに推進するため、10月19日に都内で勉強会を開催した。農林水産省食品ロス・リサイクル対策室室長の森幸子氏が登壇。食品ロスの現状と課題、削減に向けた取り組み事例を紹介し、さらなる推進を呼びかけた。
森氏は、9月9日に開かれた政府会議に触れて、「食料品の価格高騰対策としても、食品ロス対策の強化が示された。10月の食品ロス削減月間を中心に、特に期限内食品のロスに関して取組を強化し、食品の製造、流通、販売コストの抑制を図り、食品価格の高騰を抑える」と述べ、厳しい納品期限等の商慣習の見直しや企業のロス削減の取組状況の定期的な情報開示を求めた。また、「それでも発生する賞味期限内食品については、フードバンクや子ども食堂への寄付が進むよう企業とフードバンクとのマッチングやネットワークの構築を官民協働で推進し、生活困窮者支援にも貢献してほしい」と呼びかけた。
そして「食品ロス削減は、それぞれの立場で取り組むこと、協力しながら取り組むことを、できることから着実に進めていくことが大切。社会課題の解決に積極的に取り組むことは、自社のビジネスのチャンスにもつながる。積極的に取り組んで欲しい」と締めた。
協会の環境技術委員会の三澤一重委員長(サンユー代表取締役社長)は、「地球温暖化によると思われる大規模な自然災害が多発している昨今、協会では、毎年会員企業の協力を得て、食品リサイクルの実施率等の調査を行っている。勉強会を活かして、より一層の食品ロスの削減と食品リサイクルを推進していただき、地球温暖化を少しでも遅らせることで、子どもたちに快適な地球環境を継承していきたい」と述べた。
協会は、公益事業として「心に残る給食の思い出」作文コンクールを実施している。児童から寄せられた作文の中にも、食品ロスの驚きや心配の声が綴られており、食品ロス削減に向けた理解と関心の深化が求められている。