集団給食協会、栄養士体験発表会で業務改善の取組みを共有 栄養士・調理師70人などが参加
シダックスコントラクトフードサービス東京支店の清水聖子さんは、運営を受託するアサヒグループホールディングスの社員食堂における「健康な食事・食環境」認証の取得までの経緯を詳しく説明した。同認証制度は社員食堂・中食・外食等で、「健康な食事(スマートミール)」を継続的に健康的な環境で提供する店舗や事業所を認証するもの。
今年4月から始まり、9月には第1回認証式が開かれ、給食34店、外食399店、中食16,736店、合計16,809の認証店舗が決まった。
応募にあたり、同社は17年12月にアサヒグループホールディングスに制度概要を説明。健康経営を食事面からサポートでき医療費を削減することや、食堂を利用する社員の生活習慣を改善し健康の維持増進を図れることなどメリットを挙げて、導入の検討を求めた。その後、クライアントの理解を得て、スマートミール提供の準備に着手。7つの必須項目を全て満たし、かつオプション18項目のうち10項目をクリアした結果、スマートミール“3つ星”の認証を獲得した。清水さんは「スマートミールを目当てに食堂を利用されるお客様も多いため、飽きのこないようレシピのバリエーションを増やしたい。ボリュームのあるメニューが人気のため、スマートミールの基準を満たしながらボリューム感のあるレシピを作りたい」と抱負を語った。同社は第1回認証で全国3店舗の認証を受け、第2回認証(11月30日締切)では全国30店舗の認証取得を目指している。
ニッコクトラストは「お得意様に喜ばれるメニュー改善に対する取組み」として、「パワーサラダボウル アジアンチキン親子丼」や「ゴロゴロ春野菜のレモン酢豚」「山椒香る辛味噌ラーメン」など流行を取り入れたイベントメニューを紹介した。一方、サンユーは人手不足が深刻になる中、関係部署が連携して計画的に人材育成を図ることで、定着率向上を実現した取組みを説明した。鈴木陽子さんは「現場の栄養士が後輩栄養士の育成を業務の一つとして認識するようになった。今後は、他の事業所とも連携していきたい」と述べた。
また、ハーベストは顧客である食品メーカー社員食堂で、顧客商品を食材に取り入れた料理を紹介。酒類メーカーの食堂では赤玉スイートワインを使用した洋風牛丼を提供し、乳製品メーカーでは、「ミルクきんぴら」、「ミルク味噌汁」、「ヨーグルト唐揚げ」など、和食に牛乳・乳製品を使用し減塩に取り組んだ乳和食メニューを提供した。
協会の総務・研修委員会委員長である馬渕祥正馬渕商事社長は「各社の発表は、真摯な気持ちで安全・安心な食事づくりに取り組んでいることが良く分かるものだった。聴講した栄養士・調理師の皆さんはノウハウを自分のものにしていただき、業務改善のヒントに繋げて欲しい。協会は、給食提供のさらに良い環境を目指して、会員企業一体となって今後も取り組んでいく」と話した。
〈冷食日報 2018年10月30日付より〉