「3つの宝で100年企業を目指す」メーキューが創立60周年記念イベントをオンラインで開催

創立60周年記念オンラインイベントの様子
東海地区の給食事業者メーキュー(株)は10月23日、創立60周年記念イベントをオンラインで開催した。名古屋商科大学大学院名古屋キャンパス丸の内タワーにあるオンラインスタジオから、Zoomで配信。クライアントや取引先企業ら約140名が視聴した。

60年間を振り返るヒストリー映像や社員が思い描く未来と夢の動画を放映して、山本裕康社長と山本貴廣専務はそれぞれに思いを綴り、関係者への感謝と未来への意思を語った。後半には、ゴンチャジャパンの原田泳幸氏が講演を行い、アップルやマクドナルドをV字回復させた経営・人事改革のメソッドを披露した。終始、ZOOMのチャット画面では、視聴者からの60周年を祝福する激励のコメントが絶えなかった。

メーキューは1960年12月に創業した給食企業。設立当初の従業員は28名だったが、現在の社員数は632名、パート従業員は 2,109名(2019年4月 現在)で、売上高は82億2,994万円(2020年4月度実績)まで成長した。代表の山本裕康社長は、病院・介護福祉施設などの給食を提供する企業が集まった全国組織「公益社団法人日本メディカル給食協会」の会長職を務めている。

ヒストリー映像は成長の軌跡をまとめるとともに、過去に起きた食中毒事故への反省と再発防止のための衛生管理の向上と設備投資の取り組みが紹介され、時代に柔軟に対応しながらも、安全・安心でおいしい給食の提供をし続ける同社の姿を描いていた。

映像を見て、山本社長は「入社して43年。あっという間だった。これからの100年を目指して改めてみんなで頑張っていきたい」と力を込めた。山本貴廣専務は「歴史があるとどうしても保守的になりがち。過去の栄光にすがってしまうとそれ以上の成長はないので、これからもチャレンジする姿勢を持ちたい。成長するためには変わり続ける会社でなくてはいけない」と決意を語った。

Zoomのチャット画面を通じて、視聴者からは「ヒストリーを拝見すると改めて歴史の重みを感じます。正しく引継ぎ、変革するところは積極的にチャレンジしていく大切さを感じました」という共感の声や「改めて過去起きた食中毒に真摯に向き合っている姿勢、本当に素晴らしいと感じました」というコメントも寄せられた。

山本社長は「食べることは永遠なので、安全・安心が要求される。お客様は新しい食の知識をお持ちなので、新しい食材を取り入れつつ安全・安心第一でおいしいものを提供する。これは業界の永遠のテーマである。環境は変わっていくので、今の人手不足の時代とどうマッチングさせてやっていくか。これからも皆様方のお役に立てるように誠心誠意精進し、努力していくのでご指導ご芳情をお願いしたい」と抱負を語った。

続いて山本専務は、「給食は人がサービスを提供する仕事である。働いてもらえる方がいないと企業は成り立たない。人を大切にする姿勢を変えることなく、会社が70年、80年、100年と続くように、従業員満足度を高め教育していきたい」と不変の意思を語り、60年間受け継がれてきたものとして創業者が提唱した『3つの宝』を挙げて、「お客様、取引業者様、従業員の3者を大切にこれからの100年を目指して改めてみんなで頑張っていきたい」と力を込めた。

〈原田氏、QSCの重要性を強調する〉
後半には、ゴンチャジャパンの原田泳幸氏が講演を行った。原田氏は「60年もの長い期間、事業を継続され、すばらしい実績だ」と讃えたのち、アップルやマクドナルドをV字回復させた経営・人事改革のメソッドについて説明した。

原田氏はマクドナルドの社長に就任後3ヶ月でそれまで7年続いた業績悪化をプラスに転化したことについて、「当たり前のことをちゃんとして変えた」と語り、全てのサービス業共通の基礎としてQSC(クオリティ、サービス、クリンネス)を挙げ、「QSCの上に施策を積み上げれば上げるほどQSCは強固になり発展する。それがビジネスの原点」と強調した。

経営改革のポイントとしては〈1〉基本に戻る〈2〉“らしさ”を取り戻す〈3〉グローバリゼーション〈4〉顧客価値の向上――を挙げて「この4つで継続的な成長をドライブした」と振り返った。

また、原田氏は「経営にとって従業員満足度を上げる投資が極めて重要である。投資をすることで離職率が下がり、サービスの質が上がり、顧客満足度が上がり、売上が上がり、さらに投資に回すというポジティブスパイラルになる」とし、アルバイトクルーに対して採用時に特典をしっかり伝え、楽しい快適なクルールームを整え、教育機会を与えコンテストを開催するなど自己成長につなげる機会創出の具体例を示した。理念浸透については「常に現場に行ってアルバイトクルーやお客様と接しているスタッフと話をして学びの宝庫とする。それと現場との距離を縮めるためお弁当を食べながらラウンドテーブルをするなど。コミュニケーションに時間をかける。それに尽きる」と話した。

社員が思い描く未来と夢の動画では、会社で実現したいことや仕事を通じて叶えたい未来が綴られ、メーキュー愛と期待に満ちていた。その思いに同社は「食の未来とお客様の健康、未来は自分たちで守り、互いを知り助け合い、自分たちの夢を実現するまでこの会社で一緒に歩もう」「すべての人の願いが叶うようにメーキューは夢を応援し続けます」と答えていた。

メーキューの挑戦はまだまだ続く。