「学流協の推奨品」普及実績、コロナ休校影響も前年を上回る、副会長に名給・青木社長とヤヨイサンフーズ川村取締役/学流協総会
総会の中で令和2年度の「学流協の推奨品」普及実績を明らかにした。新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の休校要請によって一時的な影響を受けたものの、通年では前年を上回る実績を残した。
令和2年度の「学流協の推奨品」普及実績は7700万食。前年比101%で前年を上回った。古川裕志会長(大槻食材社長)は「3月の給食停止により進捗が危ぶまれたが、6月以降の回復が目覚ましく、年間累計では7700万食を超え、前年度を上回った」と胸を張り、令和3年度については「厳しい環境下でも生産会員から積極的なエントリーがあり、推奨品は過去最高の57品となった。これら推奨品と全国各地の地域特産物を組み合わせた地域性や季節性の豊かな献立の提案を、全国の会員と連携して継続していく」と更なる普及に向けて意気込みを語った。
また役員改選が行われ、古川会長と滝口良靖副会長は留任。新たに、青木基博名給社長と川村匡介ヤヨイサンフーズ取締役が副会長に就任した。専務理事にはマルハニチロの高橋俊之氏が就任。渡辺浩志前専務理事は本部事務局長となった。
〈100万食以上の流通会員26社〉
総会では、普及に貢献した会員企業を表彰した。100万食以上を販売した流通会員は前年22社に対し、26社と増加した。
「学流協の推奨品」普及実績
一方、200万食以上の生産会員は9社。味の素冷凍食品、キユーピー、ケンコーマヨネーズ、テーブルマーク、ニチレイフーズ、日東ベスト、日本水産、マルハニチロ、ヤヨイサンフーズが表彰を受けた。
特に伸び率が高かったのはテーブルマークの「こっぺぱん」。同社松田要輔常務執行役員は冷食日報取材に対し「常温ではなく冷凍保存できる点や、個包装され衛生的である点が評価された」とコメントした。
〈文科省、学校と生産・流通の連携が重要〉
2021年1月に文科省健康教育・食育課長に就任した三木忠一氏は挨拶に立ち、「子どもにとって学校給食は単なる食事ではない。栄養や健康について学びながら食事を楽しむかけがえのない時間である。その学校給食を安定的に実施するためには皆さんの協力が欠かせない」と述べ「食中毒防止や食物アレルギーへの対策など、安全確保のための取り組みは学校関係者だけでなく、食材の生産や流通の段階も含め一体となって行うことが重要である」と協力・連携を求めた。
文科省健康教育・食育課長 三木忠一氏
〈全学栄・長島会長、食育の方向性示す〉
総会後の講演会では、全国学校栄養士協議会(全学栄)の長島美保子会長が「学校給食の現代的使命とめざす方向について」講演した。
これからの食育の方向として第4次食育推進基本計画(令和3年~7年)の内容に触れた。3月31日の食育推進会議で決定したもので、基本的な方針として、
〈1〉生涯を通じた心身の健康を支える食育の推進
〈2〉持続可能な食を支える食育の推進
〈3〉新たな日常やデジタル化に対応した食育の推進
――の3点を挙げ、〈2〉では、「業界でもなされていることだと思うが食育を通してSDGsにどう貢献するかが求められている」と補足した。
また、学校・保育所等においては
▽食に関する指導の充実
▽学校給食の充実
▽食育を通じた健康状態の改善等の推進
▽就学前の子どもに対する食育の推進の4点を掲げ、「学校給食を体験する直前の子どもたちにも食育が言われている」と話した。