全国の社食・学食で沖縄本土復帰50年記念「沖縄メニューフェア」、5月に開催/シダックス
今回のメニューフェアの目的は、沖縄の日本本土復帰50周年という歴史的節目の年を記憶に残し、これまでの沖縄の発展や将来の可能性を、食事を通して発信していくことだ。同社マネージャー渡辺泰さんは、「メニューを選ぶかどうかに関わらず、食堂に関心を持ってもらうことに意味がある。ポスターを掲示すると、在宅勤務をずらしてもフェアの日は食堂に行く、とうれしいお声をいただくことも。提供している我々も知らなかった料理や食材がたくさんあり、食べることで学ぶ。大人の食育ですね」とフェアの意義を語る。
同社メニュー開発室綾目茂宏さんは「沖縄出身のスタッフに日常的に食べているメニューを尋ねると、ゴーヤちゃんぷるーよりふーちゃんぷるーだ、と答えたので、今回はお麩を使ったメニューにした。ジューシー(豚肉、ひじき入り炊き込みご飯)は沖縄物産展に行き、何種類も食べ比べて理想の味に仕上げた。メニュー開発は半年前ぐらいに行うため、季節が真逆。その時期に体が欲する塩分濃度を知るために、冬のメニュー開発は冷房を、夏の場合は暖房をつけてなるべくその時期の気温にして試食している」とメニュー作りの秘策を語った。
フェアメニューを取り入れた丸井グループ本社(東京都中野区)の社員食堂を訪ねると、店長の佐賀康二さんは「イベントやフェアメニューは社員の出社率の高い月曜日を中心に、毎週行っている。自分は北海道出身なので、沖縄料理にはなじみがなかったが、もずく天は表面がカリッと、中はもっちりとなるようレシピ通りに仕上げた。なるべくお客様に揚げたてを出したいので、少しずつ揚げて、少しずつ出すようにした」とこだわりを語った。
食べた人に話を聞くと「めずらしいものが多いので、フェアメニューがあると積極的に選んでいる」、「フェアは社食に来るモチベーションにつながる。今日は少し待ったが、揚げたてが食べられておいしかった」、「沖縄で食べた味に近い気がする」など好評。この社員食堂では多い日には500食ほどを提供しているが、フェアメニューは用意した180食すべてが完売した。
同社はこれまでも「全国郷土料理うまいもの紀行」で47都道府県の郷土料理を取り入れたフェアを開催したり、スーパーフード「スピルリナ」を使ったメニューを提供するなど、食を通したSDGsの取り組みに注力している。今回の沖縄フェアメニュー3品は、全国で約85,000食の販売数があった。