物価高騰に伴う学校給食の保護者負担軽減、令和5年度も継続、文科省が活用を促す
学校給食現場では、物価高騰による給食費の値上げを防ぎ保護者負担を軽減させるため、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用が昨年以来、全国的に進んでいる。令和5年度も交付金を活用できるか不安の声があがるなか、今年度も活用できることが決まった。
文科省は4月3日、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金における 『電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金』の活用について」と題する事務連絡を都道府県教育委員会などに通知した。
それによると、物価高騰による学校給食費などの保護者負担軽減支援については、「交付金の推奨事業メニューに位置づけられている」とし、学校設置者においては「交付金を活用した学校給食費の保護者負担の軽減に向けた取組を進めていただくようお願いします」と説明している。
4月6日に行われた学校給食物資開発流通研究協会の総会で挨拶に立った文科省健康教育・食育課の南野圭史(のうの・けいし)課長は、昨年を振り返り「物価高騰に伴う学校給食の保護者負担軽減に向けて、『新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金』が創設され、各自治体で利用された」と述べた。
その上で「2023年3月末、国の予備費が取り崩され1兆2,000億円の費用が交付金に使われることが決まり、今年度も、学校給食費の保護者負担軽減に対する取り組みが各自治体で活用できるになった。文科省としても、引き続き、交付金の活用を自治体に伝えていきたい」と活用促進に意欲を示した。
また、「本来、交付金は物価高騰による値上げに対応することが趣旨である。現時点で給食費の値上げを予定していない自治体もあるが、この趣旨を踏まえた上で、今後、物価高騰に伴う事業者による食材費の値上げ等について適切に対応して欲しい」と求めた。