日給・西脇会長、「『価格改定』交渉、業務効率化の追求、人材の有効活用に向けた取り組み」の推進
全国の給食調理業務を受託する民間企業211社によって構成される日本給食サービス協会は1月18日、東京都千代田区の大手町三井ホールで新春賀詞交歓会を開催した。行政、協会会員、協賛会社などから360名超が参集した。
冒頭に能登半島大震災における犠牲となられた方々のご冥福をお祈りし、黙祷を捧げた後、あいさつに立った西脇司会長(日本ゼネラルフード会長)は、「新型コロナウイルスの5類移行で景気は回復しつつある一方、食材費等の高騰をはじめ、慢性的な人手不足などが給食業界の大きな課題だ」と現状を説明した。続けて、「食材費高騰は2023年10月ごろに頭打ちになった。しかし、一部の加工食品は価格の高止まりや値上げが見込まれる。また、給食の提供数こそコロナ禍前の水準に戻りつつあるが、給食の製造原価は下がらないので依然厳しい状況だ」と2024年の見通しを語った。
その上で、給食業界発展のために〈1〉「価格改定」交渉〈2〉業務効率化の追求〈3〉人材の有効活用に向けた取り組み――の3つ施策のトライ&エラーを推進していく必要があるとした。
〈1〉については、まず「賃上げ率は約30年ぶりに高い伸び率を示したが、物価高騰に追い付いていない」と現状の問題点を指摘した。その後、「2023年11月29日に内閣官房と公正取引委員会が連名で発出した労務費の適切な転嫁を求める『労務費の適切な転嫁の為の価格交渉に関する指針』をもとに、クライアントに価格転嫁の交渉を進めるべき」。
〈2〉については、契約事項にない業務の代行などに対して「過剰なサービスがないかを精査して、クライアントとの交渉に臨んでほしい」。
〈3〉については、人手不足に対応するために「高齢の給食サービス従事者に見合った業務の調整、外国人労働者へのコミュニケーションと配慮、女性人材が活躍するための効率的・能率的な労働環境の醸成が肝要」。
「3つの施策を我々の『専権事項』とし、活発な意見や情報交換を図りたい」と述べた。
来賓あいさつは、文部科学省初等中等教育局 健康教育・食育課長の南野圭史課長と農林水産省大臣官房新事業・食品産業部 外食・食文化課の細川仁課長補佐が務めた。その後、脇本実会長代行(ハーベスト社長)は能登半島地震で犠牲となった方々を悼み献杯の発声をした。中締めは、大西博史副会長(一冨士フードサービス社長)が務めた。