市原隼人さんの好きな給食は“きな粉パン”、映画『おいしい給食』に込めた思いと給食調理従事者へのメッセージ
5月24日に全国公開した映画『おいしい給食 Road to イカメシ』で主演を務める市原隼人さんが、給食調理・運営を担う給食サービス従事者に向けてメッセージを送った。日本給食サービス協会が5月16日に都内で開催した通常総会懇親会において、創立50周年記念事業の一環として開催されたもの。市原隼人さんのメッセージ動画放映後には、『おいしい給食』シリーズで給食配膳員の牧野史枝さんを演じる、いとうまい子さんが登壇。会場を盛り上げた。
2019年に放送を開始した『おいしい給食』シリーズは、1980年代を舞台にしたコメディ食ドラマ。市原隼人さんが演じる甘利田幸男は給食をこよなく愛する中学教師。いかにおいしく、楽しそうに給食を食べるか、給食マニアの生徒と繰り広げる給食バトルがたまらないエンタテインメントコメディ作品だ。ドラマ3シーズン、劇場版2本と作品を重ねるごとに熱烈なファンを増やし続けた話題沸騰中の食ドラマが、再びスクリーンに帰ってくる。
市原さんは冒頭、作品について、「こんなに面白いコメディはもうないんじゃないかと思うほど、唯一無二の世界観を創り出しています。根底はコメディであり、核心をつく社会派でもあり、地に足を着けたメッセージを込めた素敵な作品が出来上がりました」と紹介。
続いて、「舞台が1980年代ということで今、日本人が忘れかけている古き良き詫び寂びというものがふんだんに入っています。甘利田先生というキャラクターを通じて、滑稽な姿を見せても、笑われても、好きなものを好きと胸を張って人生を謳歌する気持ち、楽しむ気持ちを多くの方々に忘れないでいただきたいです。ぜひ、劇場でご覧ください」と呼びかけた。
給食で好きだったメニューを尋ねると、「きな粉パンです。当時の僕は早く食べる人がかっこいいと思っていましたので、誰よりも早く食べたり、牛乳が飲みたいんだか、ジャンケンがしたいんだか…とにかくクラスの友達と牛乳ジャンケンや、お代わりじゃんけんをしたい子供でした。給食の時間はすごく楽しくて毎日待ち遠しかったです。義務教育から外れて自分の自由時間をもらえているような気がしていました。」と語った。
普段の食や栄養について尋ねると、「少し精神面が落ちた時は食によってポテンシャルを上げたり、ネガティブな気持ちをポジティブに持っていったり、身体の体調を崩したときも、病院に行くまえに、まずは食で身体を整えています。栄養面でもいろんなことを考え、吸収率とかも考えてちょっと小分けにして食べたり、腸活といいますか、大切な腸の部分、善玉菌を増やすために、少し食事を抑えてみたりとか」と工夫点を語るも、「いろいろするのですが、やっぱりおいしいのが一番だなと思って、欲に負けてよくステーキ800gとか食べてしまう」と笑いを誘った。
最後に、会場に向けて次のようにメッセージを送った。
「いつもおいしい給食を作っていただき本当にありがとうございます。給食は、かけがえのない青春を作ってくださる大事なものだと思います。ある女の子が『学校に行く勇気がなくなっちゃったんです』と言って、通えなくなってしまった子がいたのですが、この作品を観てから、『給食を食べたいから学校に行く』と言って、今までしばらく学校に行けてなかったのに、給食を食べるために学校に行けるようになった子がいました。また、親子の会話が最近少なくなっているけれども、給食を通して、会話が増えたという言葉をたくさんいただきました。それほどに皆さまを必要としていることを、いつまでも忘れないでいただければ幸いです。そして、給食というものに感謝している人たちがたくさんいることを、声を大にしてお伝えさせていただきたいです。本当にいつもありがとうございます」。
登壇した、いとうまい子さんは「給食の協会の皆さんがこんなに大勢いらっしゃって、こんなに明るいことを知れて良かった。作品は本当にハートウォーミングな映画になっている。給食はこんなふうに皆に喜んでもらえているんだなと実感していただけたら嬉しい。皆さんが友人や家族を連れて観に行っていただけたら、そのおかげで映画も続くかもしれない。ぜひ、給食サービス協会の皆さんとともに更なる発展を目指したい」と語った。