学校給食で需要減少の「うずら卵」を製品化するクラウドファンディングを開始/天狗缶詰

「うずらの卵」が大ピンチ。新商品の開発で「うずらの卵」を守るクラウドファンディングがスタート

福岡県みやま市内の小学校で2月、うずらの卵の誤嚥事故が発生してから、うずらの卵の販売環境が一変している。これまでその主な需要先であった学校給食では、使用を控える動きが全国各地でみられ、壊滅的な需要減少状態が続いているという。うずら農家の経営が悪化し、日本のうずらの卵業界が存続の危機に瀕する中、全国の約7割のうずらの卵を生産する愛知県に本社を構える天狗缶詰は現状を打破するため、新たな需要先の開発、開拓を目指し、クラウドファンディングをCAMPFIREで開始した。

天狗缶詰は、全国の学校給食や社員食堂、外食・飲食店、コンビニ向けに業務用加工食品を販売している食品メーカーだ。製造拠点は愛知県豊川市で、白鳥工場・三河工場の2つの工場を構えている。豊川市、豊橋市を含む東三河地方は、戦後に養鶉(ようじゅん)場が栄えた、うずらの卵の日本一の産地。三河工場のメイン商品はうずらの卵の水煮で、1日90万個ほどを生産。天狗缶詰は、国産のうずらの卵の水煮・加工品などのトップシェアを誇る。

クラウドファンディングは、天狗缶詰とデザインファームのアクアリングが共同で、いつでもどこでも・手軽に・おいしく続く自然食プロテイン「UZU-HABI(ウズハビ)」を開発するものだ。同じ愛知の企業がタッグを組み、愛知名産のうずらの卵を守るため立ち上がった。これまで、八宝菜や焼きそばなどの料理で脇役として活躍してきたうずらの卵を、主役に抜擢する点が特徴。「うずら卵の摂取を習慣(HABIT)にして欲しい!」との想いから、商品を「UZU-HABI(ウズハビ)」と命名。商品開発では〈1〉おいしく続けられること、〈2〉続ける意味のある栄養価があること、〈3〉いつでもどこでも食べられること、〈4〉自分好みに味を楽しめること――の4つを重要視する。

いつでもどこでも・手軽に・おいしく続けられることを重視したという自然食プロテイン「UZU-HABI(ウズハビ)」(イメージ)

クラウドファンディングは、”UZU-HABI(ウズハビ)” お試しセットや人気商品セット、天狗缶詰工場見学セットなどのリターンを用意する。2025年1月末に終了予定で、2月上旬に”UZU-HABI(ウズハビ)”の量産を開始し、2月下旬にリターン発送する計画。集まった支援金は、人件費、広報/宣伝費、リターン仕入れ費などに使用するという。