つくば市に環境に配慮した学校給食センターが開所、児童増加に対応

茨城県つくば市に、環境に配慮した持続可能な施設整備に取り組んだ新しい給食センターが完成し、3日に開所式が開かれた。従来、市では4つの給食センターで給食を提供していたが、児童増加に伴う必要食数の提供や施設老朽化が課題だった。
新センターは7000食の調理能力を持ち、市全体で1日あたり30000食までの給食が提供可能になる。4月10日から、市内の幼稚園4園、小学校9校、中学校3校への給食提供が始まる。
完成したのは、桜学校給食センター。環境に配慮した持続可能な施設整備への取り組みは次の4つだ。1つ目は食材残渣の処分。生ごみ処理機の導入で、食べ残し等の食材残渣を粉砕し水切りすることで、ごみの量を1/3から1/5程度に減量する。
2つ目は廃熱利用・施設内発電。ガスコージェネレーションシステムを導入し、施設内で電気を作り、同時に発生する廃熱を給油・蒸気などに有効活用する。停電時の電源としても利用可能。
3つ目は太陽熱給油システムによる省エネ。太陽熱給湯システム用パネルを屋上に設置し、食器・食缶の洗浄に必要な給油熱量のうち9割に相当する熱量を作り出す。
4つ目は節水機能のある省エネ機器の導入。調理や洗浄の過程で大量の水・湯を使うので、洗米機や洗浄機等で節水・節湯機能のある機器を導入した。
五十嵐立青つくば市長は開所式で、「給食を食べて、地球環境のことも考えられる場所にしたいと思い取り組んだ。地球にやさしく、地域にも、子どもたちにもやさしい給食センターだ」とあいさつした。

式後、抽選に当選した児童・保護者や関係者らに、つくば市の地場食材である「つくば鶏の福来おろしソース」など、オープン記念特別給食が提供された。
調理・配膳業務を担う東洋食品の荻久保瑞穂専務は、「創業以来58年間、食中毒ゼロでやってきた経験をもとに、安全・安心でおいしい給食を、安定して提供する。そのうえで、市の栄養教諭の皆さんの思いである食育や手作り、地産地消をしっかりやっていきたい」と語った。