“うまい、早い、安い!”吉野家グループの1人焼肉「トノサマカルビ」、定食に特化、カウンター席で気軽に/スターティングオーバー
昨年4月に誕生した「トノサマカルビ」は、自分で焼くスタイルの焼肉定食専門店。1席1台のロースターを完備しており、券売機で会計後、カウンター席にてひとりで気軽に、仲間同士でも楽しく焼肉が楽しめる。
「複数での来店をターゲットとした焼肉店は世の中に数多あるが、ひとりでも利用しやすい定食特化型の業態は、競合のいない真空マーケット。安さと早さを売りに、ハレの食事ではなく、日常食になりうる焼肉業態を作れば、必ず成功できると考え当業態を開発した」。スターティングオーバー新業態開発部部長の相原文仁氏は、同業態の開発背景と経緯をこう語る。焼肉=贅沢な食事というイメージだが、殿様さながら、自分のペースでこころゆくまで焼肉を楽しんで欲しいとの想いを込め、店名を「トノサマカルビ」と名付けた。
運営するスターティングオーバーは、2年前に設立された吉野家ホールディングスの子会社。新業態の開発を担っており、親子丼とからあげの「鶏千」、からあげテイクアウト専門店「からから家」など現在、5ブランドを運営している。
スターティングオーバー 相原部長
「トノサマカルビ」で提供する牛肉は熟成肉を使用。ご飯が進むたれ焼き肉を看板に掲げ、特製のタレに漬け込んだ。タレは、果実の甘みとカカオマス配合で食物繊維が豊富な「極味 秘伝たれ」、2種類の葱を使用してペッパーとレモンの風味を加えた「極旨 塩葱たれ」、ヤンニョム入りの「辛味 薬膳たれ」の3種。一番人気は「極味 秘伝たれ 熟成カルビ焼肉定食」(税込690円)で、全ての定食にライス(大盛り可)とスープが付き、キムチとナムルは食べ放題で提供する。ビールにハイボール、焼酎、ワインとアルコールも充実させており、17時以降は、ライスとスープをグラスビールと枝豆に変更可能だ。
従来型の焼肉店のイメージを変える明るい店内と、客同士が目を合わせない片面カウンターは、女性客にも支持されている。ボリューム感のある焼肉定食を売りにしたため、当初予想していなかった女性客の需要を掴めていることは、嬉しい誤算だという。また、定食に特化した業態として開発したことでランチタイムとディナータイムの両方で集客できるのがこの業態の強みだ。
「幅広い客層に支持されたこと、同業態のニーズが確認できたことで、今後の多店舗展開への自信につながった」(相原氏)。今期中(19年3月期)に都内で2号店目の出店を目標に掲げている。
一番人気の「極味 秘伝たれ 熟成カルビ焼肉定食」