吉野家が“歴史的メニュー”「ねぎだく牛丼」を発売、従来の裏メニュー「ねぎだく」との違いは?
玉ねぎを増量する「ねぎだく」は「吉野家」の牛丼の“裏メニュー”として知られているが、一般の「吉野家」店舗では牛肉と玉ねぎの配分を変更して対応してきたのに対し、「吉野家 築地店」では、「ねぎだく」の特殊注文を受けると、牛肉の量はそのまま、玉ねぎを増量していた。
吉野家は1899(明治32)年、東京・日本橋にあった魚市場に誕生。1926(大正15年)に移転した先が築地店だ。移転後も利用客には市場で働く職人が多かった。魚市場の仕事は大変な重労働であり、いったん仕事が始まってしまうと、ろくに食事をする時間もない。そこで、“はやくて、うまい”吉野家の牛丼が誕生したという。築地店は2018年10月6日を以って92年間の営業に幕を閉じたが、今回、吉野家は築地店の常連客たちが牛丼のうまい食べ方を探求して生み出した歴史的な逸品「ねぎだく」を、「ねぎだく牛丼」として1年3か月ぶりに復活させ、全国で展開する。
築地店の特殊注文を定番商品として全国店舗で発売するのは「アタマの大盛」(2013年10月から全国店舗で提供開始)以来。築地店では「ねぎだく」や「アタマの大盛」のほかにも、「つゆだく」「つゆぬき」「あつしろ」「つめしろ」「肉した」「とろだく」など、メニュー表などに記載していない特殊注文に対応してきた。魚市場で働く築地店の常連客たちは自分好みの牛丼を食べようと通好みする特殊注文を生み出し、店舗もそれらの注文に応じた牛丼を提供していたという。
「ねぎだく牛丼」は肉鍋の中で素材本来の甘さが引き出され、牛肉の旨味と特製のたれをじっくり染みわたらせた玉ねぎを、牛肉と存分に味わえるメニューだという。並盛の場合、玉ねぎの量は通常の4倍増しで、牛肉と玉ねぎの割合は1:2の割合。増量分の玉ねぎはサイズによっては丼の上に乗り切らない場合があるため、増量分の玉ねぎは別鉢で提供する。
吉野家は、「牛肉を一緒に頬張った際の美味さを再確認したり、牛丼の玉ねぎならではの甘味やこく深さ、シャキシャキ感をじっくり味わったり、卓上にある紅生姜や特製七味で味に変化をつけたり。築地店で愛され続けてきた牛丼の粋な食べ方を是非、ご賞味下さい」としている。
なお、「ねぎだく牛丼」の発売に伴い、特殊注文として全国の店舗で対応していた「ねぎだく」サービスは終了する。
「吉野家 築地店」の特殊注文例と現在の対応状況