幸楽苑が株主優待を電子化、食事券・楽天ポイント・製品詰め合わせから選択、ギフティ新システムを活用

幸楽苑HDの株主優待贈呈フロー
幸楽苑ホールディングスは、eギフトプラットフォーム事業を展開するギフティが提供するシステムを活用し、6月18日(予定)から発行する株主優待を電子化する。これにより株主優待は、幸楽苑店舗で利用できる「デジタル食事券」「楽天ポイント」「幸楽苑製品詰め合わせ」の3種から選べるようになる。2月26日に開催した両社の共同オンライン記者会見で発表したもの。

QRコードを活用した株主優待の導入や楽天のポイントプログラム「楽天ポイント」を株主優待として贈呈するのは日本初の取り組み。

今回の株主優待電子化は、ペーパーレスの推進、非接触で使える「デジタル食事券」によるコロナ対策、優待の選択肢拡充による株主の利便性向上、コスト・オペレーション削減などを目的としている。

幸楽苑HDの株主優待はこれまで、同社店舗で利用できる「紙の食事券」か「お米」のどちらかを選べるものだった。今回新たに導入する「デジタル食事券」では、会計の際に店員は、電子スタンプを利用客のスマートフォン画面に押して照合するため、画面に直接触れる必要がなく、非接触で利用することができる。また、店舗・経理部・総務部で年間総計4,000時間強を費やしていた作業時間の削減や、年間24万枚を発行していた食事券の印刷費や輸送コスト削減を見込む。

幸楽苑HDの電子株主優待(対象=毎年3月末時点で単元株以上を保持する株主)

幸楽苑HDの電子株主優待(対象=毎年3月末時点で単元株以上を保持する株主)

 
幸楽苑HDの新井田社長は、「株主優待の選択肢を3つに増やしたことで、地域に店舗がないなど、来店が難しい株主様でも楽天ポイントや通販製品が選択可能となった。また、紙の削減によりSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みとしても一歩前進した形だ」とした。
 
ギフティの太田代表は、「(株主優待の電子化は)コスト削減やIR施策の効果的なアプローチにつながるほか、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化という文脈にも沿っている。12月末までに10社程度で導入を進めていきたい」と語った。

(左)ギフティ 太田代表、(右)幸楽苑HD 新井田社長

(左)ギフティ 太田代表、(右)幸楽苑HD 新井田社長