ハウス食品がキッチンカープラットフォーム「街角ステージweldi」正式サービス開始
「街角ステージweldi」は、飲食事業者と遊休地を持つオーナーをつなぐキッチンカーのプラットフォーム。飲食事業者に、車両・仕込み場所・出店スペースといったキッチンカーを始めるために必要な設備を提供するレンタルサービスとなっている。
同社が2019年9月から開始した事業可能性の調査検証では、46社の飲食事業者が参加し、都内8カ所の出店スペースで計3万5,000食を販売。この結果に事業の成長性を見込み、正式なサービス開始に踏み切った。
飲食事業者は、車両のリース・購入費用や駐車場代など、キッチンカー導入にかかる初期費用をかけずに出店できることが特徴。契約期間は最短3カ月(曜日固定で週1日)から可能。1日にかかる費用は売り上げの25%プラス5,000円で、仕込み場所をレンタルする場合は35%プラス5000円。
出店場所は、新宿・馬喰横山・青山一丁目など、オフィスワーカーと近隣住民の需要が見込める立地を中心に展開。まずは東京23区で順次拡大していく。
帝国データバンクの「飲食店の倒産動向調査」によると、コロナ以前の2017年から、飲食業界を取り巻くさまざまな要因によって、飲食店の倒産件数は高水準となっている。ハウス食品グループ本社・新規事業開発部の渡邉裕大氏は、「食に関わるさまざまな会社をグループに持つ企業として、飲食業界の活性化に寄与することが使命であると感じ、新たな飲食のあり方を提示できるサービスとして、今回の事業を開発した」と語る。2022年に、月間売上高500万円の事業規模を目指す。
出店者は、パエリアをはじめとした本格スペイン料理を提供する「スペインクラブ」、四川料理の「雲辣坊」、唐辛子料理専門店「赤い壺」、フェイクミート(代替肉)製品の開発・製造を行う「ネクストミーツ」など。
出店する店舗の一つ「スペインクラブ」は、都内に5店舗を構えるスペイン料理店。店舗以外にもイベント・催事への出店、ケータリングを展開してきたが、キッチンカーは今回が初めて。以前から興味はあったものの、車両にかかるコストや出店スペースの確保などがネックになっていたという。
「スペインクラブ」のキッチンカーでは、「シーフードパエリア弁当」「イベリコパエリア弁当」などを販売し、利用客には実店舗のパンフレットを手渡す。
スペインクラブで販売する「シーフードパエリア弁当」「イベリコパエリア弁当」(各税込800円)
スペインクラブ・村頭達博副社長は、「お客さんの中には、店舗を知っている方や来店したことがあると声をかけてくれる方もいる。新規顧客の獲得や掘り起こしにつながるなど、宣伝効果も期待している」と語る。