くら寿司「できたてシリーズ」常時販売スタート、巻きたて・炙りたて・揚げたて・作りたて「業界唯一 全店“二刀流レーン”だから実現」

くら寿司「できたてシリーズ」19品
回転寿司チェーン「くら寿司」は7月8日、常時販売する新定番メニューとして、「できたてシリーズ」19品を、1皿220円(以下税込)で発売した。都市型店舗など一部店舗では価格が異なる。ビナリオ梅田店・鈴蘭台店では取り扱わない。

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約2週間に一度開催するフェア商品以外で、1皿220円の商品を販売するのは、くら寿司で初めて。

「できたてシリーズ」は、「巻きたて」「炙りたて」「揚げたて」「作りたて」の4つのできたてメニューを提供する。新たに開発した商品に加えて、これまでのフェアで好評だったもの、人気の定番メニューにひと手間加えた商品などを取りそろえる。

回転レーンには流さず、タッチパネルやスマートフォンで注文したものを、高速ベルトコンベアのオーダーレーンで客席へ運ぶ。海苔のパリパリな食感を楽しめる「巻きたて」メニューなどは持ち帰り不可。

くら寿司は「できたてシリーズ」を実現できたのは、大手回転寿司で唯一「通常レーン」と「オーダーレーン」の“二刀流レーン”を全店(ビナリオ梅田店・鈴蘭台店を除く)で完備しているからだと胸を張る。

下が通常レーン 上がオーダーレーン(くら寿司 スカイツリー押上駅前店)

下が通常レーン 上がオーダーレーン(くら寿司 スカイツリー押上駅前店)

タッチパネルで注文できる「できたてシリーズ」(くら寿司)

タッチパネルで注文できる「できたてシリーズ」(くら寿司)

「巻きたて」は、提供直前に取り出した有明産海苔にネタをのせ、すぐに客席へ届ける。利用客自身で軽く巻きながら食べる形だ。これまでは巻いた状態で提供していたため、直前に巻いてはいたものの、どうしてもパリパリの食感で客席へ届けるのが難しかった。
 
「巻き立て」メニューは、「【巻きたて】海鮮盛り手巻き(1貫)」「【巻きたて】ねぎまぐろ手巻き(1貫)」「【巻きたて】海鮮うに手巻き(1貫)」「【巻きたて】ゆず漬けまぐろ手巻き(1貫)」「【巻きたて】たっぷりいくら軍艦」。

くら寿司「【巻きたて】海鮮盛り手巻き(1貫)」※写真は提供から数分経ったため海苔がややしなびているが提供時はパリパリだった

くら寿司「【巻きたて】海鮮盛り手巻き(1貫)」※写真は提供から数分経ったため海苔がややしなびているが提供時はパリパリだった

「炙りたて」は、提供直前にネタ上のチーズを炙って客席へ届ける。自動炙り機で赤外線を使って炙るため、ガス臭さがなく、安定した品質で提供できるという。チーズは、これまでの定番商品では、くら寿司特製の4種のチーズソース(ゴーダ・チェダー・マスカルポーネ・カマンベール)だった。今回の「炙りたて」メニューではこの4種類に、フェアの際にアップグレード版として提供していた“レッドチェダーチーズ”を加えた仕立てとなっている。
 
「炙りたて」メニューは、「【炙りたて】Wチーズ豚カルビ」「【炙りたて】Wチーズサーモン」「【炙りたて】Wチーズえびマヨ」「【炙りたて】Wチーズえび」。

くら寿司「【炙りたて】Wチーズ豚カルビ」

くら寿司「【炙りたて】Wチーズ豚カルビ」

「揚げたて」は、注文が入ってから衣をつけて揚げたものを、熱々サクサクな状態で提供する。くら寿司ではオリジナルのてんぷら粉を使い、オートフライヤーを使用している。これまでも、揚げ物は注文が入ってから揚げていたが、今回“できたて”シリーズ化することで改めて揚げたてをアピールする狙いがあるという。
 
「揚げたて」メニューは、「【揚げたて】いか天にぎり」「【巻きたて/揚げたて】えび天手巻き(1貫)」「【巻きたて/揚げたて】えびいか天手巻き(1貫)」。

くら寿司「【巻きたて/揚げたて】えびいか天手巻き(1貫)」

くら寿司「【巻きたて/揚げたて】えびいか天手巻き(1貫)」

「作りたて」は、調理仕立てをそのまま提供するもので、見た目にこだわった商品なども展開する。
 
「作りたて」メニューは、「【作りたて】えびアボカド」「【作りたて】サーモンアボカド」「【作りたて】大切り 極み熟成 まぐろ」「【作りたて】大切り 極み熟成 漬けまぐろ」「【作りたて】大切り はまち」「【作りたて】大切り びんちょう赤身」「【作りたて】大切り 漬けびんちょう赤身」。

くら寿司「できたてシリーズ」19品イメージ

くら寿司「できたてシリーズ」19品イメージ

〈商品価格も“二刀流”〉
また「できたてシリーズ」は、価格をすべて220円に設定している。これまでくら寿司では、常時販売している定番メニューは110円に設定し、フェアメニューでは220円の商品を展開してきた。今回定番メニューに220円商品を投入することで、価格構成比はこれまでの7(110円):3(220円)ほどだったものが、約6(110円):4(220円)になるという。110円の人気メニュー「極み熟成 まぐろ」「はまち」などは引き続き販売する。
 
〈「できたてシリーズ」は店内飲食強化の一環〉
くら寿司では店内飲食の強化を推し進めている。コロナ禍初期には「安心安全」の強化として、寿司カバーの抗菌化や従業員との完全非接触サービスの導入を実施した。
 
ワクチン接種などによって経済活動が戻り始めた2021年12月頃からは、店舗体験の向上として、エンタメ要素の強化を行っている。2021年12月に、店内装飾にこだわった“世界一映える寿司屋”を謳い、クレープを提供するスイーツ屋台を設置した「原宿店」をオープン。2022年3月には、大画面でシューティングゲームを楽しめるアトラクションを設置した「スカイツリー押上駅前店」をオープンしている。

「くら寿司 原宿店」併設のスイーツ屋台

「くら寿司 原宿店」併設のスイーツ屋台

デジタル射的「ビッくらギョ!」(くら寿司 スカイツリー押上駅前店)

デジタル射的「ビッくらギョ!」(くら寿司 スカイツリー押上駅前店)

今回の「できたてシリーズ」は、「安心安全」「店内空間」に加えて、「メニュー」を強化するというもの。くら寿司によると、220円に統一することで昨今の“メリハリ消費”に対応するのだという。メリハリ消費というのは、食品や日用品などで節約するところは節約して、外食やレジャーは“ちょっと贅沢”に楽しみたいというニーズ。これまで通り、110円メニューでお得感を押し出しつつ、高付加価値メニューとして220円の比重を高めることで“ちょっと贅沢”ニーズにこたえていく。