【新分野の開拓が進む業務用食品】
【新分野の開拓が進む業務用食品】
外食・中食市場の動向と予測
(外食)
2015年の外食市場は、緩やかな景気回復基調を背景に高付加価値メニューがけん引し、2年ぶりにプラスに転じた。年初に発生した異物混入問題がファーストフード洋風の売上に影響を与えたが、年後半は回復基調となった。円安の進行による食材仕入れ価格の高騰、人手不足を起因とする人件費の上昇などコストアップが収益を圧迫したものの、高付加価値メニューが値上げ後も堅調に推移し、客足の落ち込みをカバーした。
16年については、次年度に迫った消費税増税に伴う節約志向の上昇懸念、労働人口不足による人件費のさらなる高騰など経営環境は、より一層厳しさを増す見込みだ。業種間の垣根を超えた企業間競争の激化も進む。
日本フードサービス協会は、協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査を毎月行っている。
15年の外食需要は、年初に日本マクドナルドにおいて発生した異物混入問題が、FF洋風の売上高に影響した一方、ファミリーレストランの売上高が引き続き堅調に推移した。そのため、年後半は回復基調となり、年間の売上高は0・1%増とわずかに前年を上回った。付加価値商品が支持されたことに加え、円安の進行による食材仕入れ価格の高騰などを要因に実施した価格改定の影響もあり、全体の客単価(3・3%増)は1年を通してプラスとなった。
(中食)
近年、惣菜(中食)市場は順調に成長してきているが、2015年も引き続き伸長し、6年連続で市場が拡大した。2011年の東日本大震災以降、内食志向の高まりが言われる中、調理時間の短縮化というニーズに応えてきたことが、市場の拡大につながったと見られる。すでに言い古された感もあるが、少子化・高齢化による少人数世帯の増加、有職女性の増加等あり、中食市場はまだまだ伸長するのは間違いなさそうである。
日本惣菜協会が18日、発刊した『2016年版惣菜白書』によれば、惣菜市場規模は唯一09年、調査開始以来初のマイナスとなったものの、その後は再成長軌道に乗っている。1面記事の通り、15年の惣菜市場規模は前年比3.5%増9兆5,881億円(見込み)と、6年連続でプラスとなった。業態別では、「CVs」が5.5%増2兆9,451、構成比も0.5ポイント増30.7%と伸長し、「専門店、他」(惣菜店、弁当店、給食業者、寿司販売店など)を初めて上回り、トップシェアとなった。