くら寿司の出張授業「お寿司で学ぶSDGs」小金井市の小学校で開催、食品ロスと“低利用魚”テーマに
くら寿司は9月2日、東京学芸大学附属小金井小学校(東京都小金井市)の5年生50人を対象に、食品ロスの問題や食べる機会が少ない“低利用魚”をテーマとした出張授業「お寿司で学ぶSDGs」を開催した。
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くら寿司では、海洋資源の保全や漁業の持続可能な発展に向けた取り組みを行っている。その一環として実施している出張授業「お寿司で学ぶSDGs」は、回転寿司という子供たちの身近な題材から、水産業や食をめぐる課題について考える内容となっている。SDGs学習に特化した出張授業は、大手回転寿司チェーンでは初めての試み。
当日の90分間の授業では、本物の魚から型をとった模型を使って“低利用魚(未利用魚)”について知ってもらったほか、「お寿司屋さん体験ゲーム」を通じて食品ロスについて子どもたちと一緒に考えた。
低利用魚とは、漁獲量が少ないことによる知名度の低さや、おいしく食べるために特殊加工を必要とするなどの理由から食べられる機会の少ない魚種のこと。海にいる14,500種類以上の魚のうち、よく食べられているのは約500種にとどまると言われている。
くら寿司が定期的に販売している低利用魚には、日本ではあまり馴染みがないが、ハワイでは“マヒマヒ”と呼ばれ高級魚として扱われている「シイラ」、泥臭いイメージが強いが、きれいな海でとれるものは臭みが少なく、味は真鯛やヒラメにも劣らないと言われる「ボラ」、漁獲減少の原因となるため駆除対象となっている「ニザダイ」などがある。
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授業の後半で行った「お寿司屋さん体験ゲーム」では、実際に店舗で使っている機械式の回転レーンと同様の機材や、寿司の食品サンプルを用いた。何のネタにどのくらい注文が入るかを予想して「作る側」「食べる側」を体験し、食べられた寿司皿の枚数を競った。
ゲーム終了後は、食べられずに余ってしまった寿司(サンプル)を使って「食品ロス」について考えた。くら寿司が店舗で導入しているICTを活用した「製造管理システム」は、適切な量・ネタを提供するため“利用客の空腹度を数値化”することで食品ロス削減につなげていると説明した。
最後に生徒たちは、将来寿司が食べられなくなる可能性があるという問題の解決策について、それぞれ考えて発表した。
授業を受けた生徒は、「1年間の食品ロスは612万トンと言われていて、くら寿司などの取り組みで少なくなっていくのかなと楽しみにしています」「魚が、よく食べられているものと低利用魚に分かれていることを初めて知りました。これからは、くら寿司で低利用魚のネタがあったら食べたいなと思いました」などと話した。
なお、くら寿司による出張授業「お寿司で学ぶSDGs」は2022年5月から開始し、今回で15校目の開催となった。現在は24都道府県の125校ほどから申込があり、22年度は新規受付を締め切った。2023年度の募集開始案内のメールは、くら寿司WEBページから登録できる。