くら寿司 においを抑えた「ニザダイ」初の全国発売、“厄介な低利用魚”キャベツ養殖でおいしく
回転寿司チェーン「くら寿司」は9月16日、「キャベツニザダイ」(2貫220円)を期間・数量限定で発売した。約14万食分の販売を予定する。
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駆除対象魚「ニザダイ」にキャベツを与えて養殖したもので、全国発売は今回が初めて。
くら寿司では2010年から、漁業者との共存共栄を目指し、持続可能な海洋資源や食品ロス削減などに取り組む「天然魚プロジェクト」を展開。今回の「キャベツニザダイ」はその一環として販売するもの。2020年11月には、10店舗限定で販売した。
「ニザダイ」は、主に西日本でよく獲れる魚で、海藻を主食とすることから、水産物の産卵や育成に重要な役割を果たす海藻が大規模に消失する現象である「磯焼け」の原因とされ、駆除の対象となるなど、いわば“厄介者”扱いされているという。海藻が主食であることから身に独特のにおいがあり、商品化へのハードルも高く、市場であまり取り引きされない“低利用魚”。
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くら寿司の社員がテレビで見た「ウニのキャベツ養殖」をヒントに、キャベツをえさにしたところ、においを軽減できることが判明した。本来ニザダイが持つ良質な脂のりや身質をおいしく味わえる商品にできたことから、2020年11月に10店舗で試験販売し、好評だったという。それを受け今回、供給体制を整えて初の全国販売に至った。
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今回は、九州地方の定置網で漁獲したニザダイに、廃棄されてしまうキャベツの外葉を与えて養殖している。くら寿司は、「今後も定期的に販売ができる体制づくりを目指していく」としている。