くら寿司“地魚地食”くらの逸品シリーズ本格始動、毎週土曜に地元の魚が登場、国産天然魚30種→130種に強化
回転寿司チェーン「くら寿司」は4月15日から、地元の旬の地魚を毎週楽しめる「くらの逸品シリーズ」を本格的に開始する。価格は全店統一で1皿240円(税込)。
【関連記事】くら寿司「できたてシリーズ」165円に“値下げ”、期間限定「琉球スギ」など発売も
「毎週土曜日は“地魚を楽しむ日”」として、その週に各地域の漁港で水揚げされた天然魚を、地域の各店舗で毎週土曜日から数量限定で販売するもので、“地魚地食(じざかなじしょく)”を掲げる。全国一律販売が主流の大手回転寿司チェーンとしては初の試み。
これまで約30種類だった天然魚の取り扱いは、2023年中に約130の魚種へ拡大する見込み。他の回転寿司チェーンとの差別化が難しかったメニューの強化を図る。実施店舗は約360店舗(北海道、東北、北陸、関東、関西、中国、四国、九州)からスタートし、2023年8月には全国530店舗以上での販売を予定している。
4月12日に開催した発表会で、くら寿司の田中信取締役副社長は、地魚(その地域で獲れた魚)の販売は、地域の回転寿司店が得意としている領域だと話した。地魚を販売するためには、貝塚(大阪府)にあるくら寿司の加工センターだけでは難しく、地域の加工センターとの仕組みが必要だった。今回、全国13の水産加工会社と連携することで、各地域で獲れた魚を近くの加工所で加工し、地域内の店舗で提供することが可能となった。これまでは貝塚の加工センターから全国の店舗に届けていたため、物流コストの大幅ダウンにもつながるという。
【関連記事】くら寿司“水産専門会社”設立の狙いは?KURAおさかなファーム「スマート養殖」
「くらの逸品シリーズ」の取り組みは18都道府県の約360店舗を8グループに分けて開始し、8月には全国530店舗を22グループに分けて実施する。今後は、取引する漁業者や加工会社を増やし、グループのさらなる細分化や提供回数、販売魚種を拡大する。最終的には、全国47都道府県それぞれに、毎週異なる「地魚」数種類を提供できる体制の構築を目指す。地魚の販売により、人気魚種への依存を減らし、供給の安定化も期待できると田中副社長は話した。
販売する魚種の一例として、北海道の苫小牧は、マホッケ、クロソイ、クロガレイなど。三陸沖の宮城などでは、スズキやヒラメ、ブドウエビなど。沖縄ではナンヨウブダイやハマダイ、メバチマグロなど。高知ではシイラやイシダイなどを予定している。なお、販売する地魚は、各店舗の公式LINEアカウントで告知する。