吉野家と女子栄養大学が産学連携、「牛丼ON野菜」販売“野菜たっぷりで食塩の取りすぎにも配慮”
吉野家ホールディングスと香川栄養学園女子栄養大学(以下女子栄養大学)は6月12日、健康・食・栄養の分野で産学連携包括協力協定を締結した。
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吉野家の商品開発や飲食業における運営ノウハウと、女子栄養大学の栄養や調理への知見を持ち寄って連携することで、“美味しく健康な食生活”を提案していく。6月12日には、女子栄養大学の駒込キャンパスで締結式を開催した。
連携第1弾の取組みとして、“スマートミール”の基準に適合した商品「牛丼ON野菜」(並盛税込657円)を開発し、6月1日から一部の「吉野家」店舗で販売している。
スマートミールは、1食の中で主食・主菜・副菜がそろい、野菜が多く、食塩のとり過ぎにも配慮した食事のこと。厚生労働省の「生活習慣病予防その他の健康増進を目的として提供する食事の目安」などに基づいて基準を設定している。審査・認証は、日本栄養改善学会など12の学会で構成される「健康な食事・食環境」コンソーシアムが行う。
今回の「牛丼ON野菜」は、吉野家の商品でスマートミールの基準に近い「牛丼(並)」をベースに開発。女子栄養大学の栄養学部専任講師・浅尾貴子氏が栄養監修を行った。牛丼の具やご飯はそのままに、野菜をふんだんに加え、塩分量を抑える工夫を施した。赤ピーマンやブロッコリー、かぼちゃ、れんこん、ヤングコーンの計5種類の温野菜を盛り付けた。野菜の味付けには、ガーリックを利かせた胡麻油を使用。野菜の上からかけるのではなく、野菜と混ぜ合わせて味を全体に行き渡らせることで、塩分量を抑えたという。栄養成分は、たんぱく質23.1g、脂質24.8g、炭水化物104.1g、食塩相当量3.1g。732キロカロリー。
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「牛丼ON野菜」取扱店舗は、吉野家のなかでも「クッキング&コンフォート」というカフェスタイル形式を採用している263店舗。「クッキング&コンフォート」は、駐車場を設置している店舗など、主に郊外で展開。従来のカウンター席中心ではなく、テーブル席を多く配置し、家族連れや女性客も入りやすいのが特徴。ドリンクバーや客席にコンセントも完備している。吉野家によると、あと約500店舗を「クッキング&コンフォート」スタイルに切り替えていくという。
締結式で女子栄養大学の香川明夫学長は、「この商品にとどまらず、商品開発における栄養学的な側面でのご協力やさまざまな取り組みを進め、社会の様々なニーズに応えていきたい」などと話した。
吉野家ホールディングスの執行役員グループ商品本部副本部長兼素材開発部部長の辻智子氏は、「吉野家で提供している牛丼などの商品は、いつでも食べられる身近な日常食であり、社会インフラの1つを担っていると自覚している。女子栄養大学が持つサイエンスの知見や最新の情報が組み合わさることで、スマートミールなど健康を求める人により進化したサービスが展開できるのでは」と期待を語った。