一蘭 家庭用ラーメンの海外販売に注力、豚原料を使わない「100%とんこつ不使用」や「ヴィーガンラーメン」も
“天然とんこつラーメン専門店”の一蘭は、国内に78店舗、海外に8店舗展開している(2023年11月時点)。
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同社の広報によれば、国内店における訪日外国人の客数は、コロナ前の2019年と変わらない状況まで戻っているという。特に観光地として人気の原宿や渋谷の店舗では、外国人旅行客と思われる人々が長蛇の列を作ることも珍しくない。
一蘭の特徴は、メニューを1種類「天然とんこつラーメン」に絞り、客席1席ごと仕切られた“味集中カウンター”で提供するスタイルなど。
食券機はもちろん、味の濃さや麺の硬さなどを指定できる「オーダー用紙」も多言語に対応している。替え玉の注文も、プレートをテーブル奥のボタン上に置くことで受け付けるため、声を出さずに注文できる。このように退店まで従業員と会話する必要がなく、海外旅行客でも注文しやすいことも、支持される理由のひとつになっている。
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海外展開では、アメリカ、香港、台湾に出店している。直近では23年11月に、香港3店舗目の「香港モンコック店」をオープンした。
海外店舗でも、日本と同じ味・サービスを提供することを目指しており、国内と同様に全店直営で運営。日本の店舗と同様に、メニューは1種類のみで、味集中カウンターや替玉システムも導入している。ラーメンに使っている“赤い秘伝のたれ”と出汁は、福岡県糸島にある製造拠点「一蘭の森」から発送している。今後の海外出店については、さまざまな国から要望があるものの、慎重に進めるという。
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〈タイやインドネシアで催事を展開/一蘭〉
また、同社では、自宅でも一蘭のラーメンを楽しめる家庭用商品も多数取り揃えている。国内販売だけでなく、日本に来られない人に向けて、海外販売にも注力している。
具体的には、海外のショッピングモールの催事に参加し、会場で家庭用商品を調理し、提供するプロモーションイベントを開催している。23年11月はタイで初開催し、ことし2月にはインドネシアで2度目の催事を控えている。
インドネシアでは、宗教上の理由で豚を食べられない人が多いことから、「一蘭ラーメン 100%とんこつ不使用」を提供・販売する。豚原料を一切使用せず、鶏ベースで作ったラーメンだ(国内販売は「なんば御堂筋店」のみ)。
また、2023年10月には動物性原料不使用の「一蘭ラーメン 博多細麺ストレート 一蘭特製 赤い秘伝の粉付 Vegan」の販売も開始した(国内販売は公式通販と「なんば御堂筋店」のみ)。一蘭の広報は、今後も新商品の開発など、家庭用商品の海外販売に力を入れていくと話す。