厨房機器メーカーのラショナル担当者が語る「ドイツでは物価高騰と人手不足に」、サステナビリティで高機能な調理器の売上が好調

ラショナルAGのBenno Vollmann氏(左)とAlexander Walter氏
ラショナルAGのBenno Vollmann氏(左)とAlexander Walter氏

外食産業では、物価高騰と人手不足が大きな課題になっている。外食店はメーカー・卸等からの値上げを受けながら、メニュー価値の向上と価格転嫁を進めている。人手不足に対しては、求人広告費をかけて採用を強化するとともに、省力化オペレーションの導入や短時間営業も実施している。こうした状況は今後も継続が見込まれるが、海外ではどのように対応しているのだろうか。

「ドイツは日本以上に物価高騰と人手不足に苦しんでいる。例えば、ガソリンは40ℓ入れるだけで1万円かかる」と語るのは、厨房機器メーカーであるラショナルAGのAlexander Walter(アレクサンダー・ワルター)氏。「エネルギーコストが上昇する一方、ドイツ含めヨーロッパでは、サステナビリティへの意識が高く、エネルギー消費量を下げる商品開発が進んでいる。人手不足で物価高騰でも料理を提供し続けるため、簡単調理で高機能な厨房機器の導入が増えている」と対応を語った。

環境負荷低減については、スチームコンベクションオーブンiCombi® Proは時間を節約しながら高品質な料理を提供することで電気消費量を約30%削減、多機能調理器iVario® Proは、従来の調理機器に比べてスピードが4倍、最大40%のエネルギーコストを削減できるという。

省エネ効果について、Benno Vollmann(ベノ・ボルマン)氏は、「例えば大学食堂では、一度にたくさんの量を提供するときがあれば、追加で少量を用意する必要もある。「iVario® Proなら、大量の料理も少量の料理もエネルギーをうまく使いながらフレキシブルに作ることができる。また、通常のフライヤーはかなり水を蓄え、お湯を沸かして掃除しなくてはいけないが、iVario® Proは少ない洗剤量で、少ない水量、少ないエネルギーで洗浄する」と語った。

一方、人手不足については、ヨーロッパでは、厨房機器の自動調理モードを駆使することで省人化を図る動きが主流になりつつあるという。iCombi® Proは自動調理プログラムを多数搭載。カスタマイズも可能で、食材、メニュー、操作画面も、その施設に合ったものに変更可能。あるスーパーマーケットでは、時間と手間を削減し調理を効率化するため、ボタンは4つしかないという。

ラショナルAGはスチームコンベクションの世界シェアが約50%。2023年は、スチームコンベクションを世界で82,000台販売した。中でも、日本は前年比13%で伸長しており、特に、スーパーマーケットや製菓製パン、飲食店、カジュアルダイニングで引き合いが高まっている。

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