タピオカミルクティー発祥の台湾カフェ「春水堂」、郊外の“ロードサイド喫茶”に参入、立地戦略や出資をスシローのF&LCがサポート、10年で47都道府県へ出店めざす
台湾カフェ「春水堂(チュンスイタン)」は4月6日、初のロードサイド店舗「藤沢湘南台店」をオープンした。
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出店にあたり、寿司チェーン「スシロー」などを展開するFOOD & LIFE COMPANIES(以下、F&LC)から、出資や立地戦略のサポートを受けた。今後も、F&LC協力のもと、ロードサイドへ出店していく方針だ。
「春水堂」は、1983年に台湾の台中で創業し、40周年を迎えたお茶専門カフェ。台湾では50店舗以上を展開しており、1987年に世界で初めて「タピオカミルクティー」を発売した店でもある。若者のお茶離れを受け、台湾茶の新しい楽しみ方として開発したものだった。
日本には2013年に上陸。運営はオアシスティーラウンジが担っており、今回の「藤沢湘南台店」で15店舗目。看板商品の「タピオカミルクティー」をはじめとするドリンクで使用する茶葉は、すべて台湾の「春水堂」が厳選したものを直輸入。フードメニューも台湾の「春水堂」が監修するなどし、現地の味を再現しているという。
日本での出店はこれまで、1号店の代官山店をはじめ、表参道や六本木、銀座、横浜、大阪、博多など、首都圏の一等地や都市部に絞ってきた。今回、立地をガラリと変え、郊外のロードサイドへ初進出した背景を、オアシスライフスタイルグループCEO・関谷有三氏に聞いた。
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「現在、郊外のロードサイドにある喫茶業態が盛り上がっています。ただ、いずれもコーヒー主体の店が多く、カフェ業態で選択肢が少ない状況です」。コーヒーが苦手な人やお茶好きの人のニーズに応えるなど、カフェの新しい選択肢として提案したいというのは、「春水堂」を日本に持ってきた背景でもあるという。
ロードサイド参入にあたっては、「スシロー」でロードサイド展開のノウハウを有していることなどから、F&LCと組むことになった。「10年以内に、全都道府県への出店を目指しています」(関谷氏)。
今回の藤沢湘南台店は、「春水堂」で初めてドライブスルーを併設した店舗。座席数は日本の店舗で最大の76席で、広めのソファ席を多く配置した。
「もともと台湾の『春水堂』は、広い店舗が標準なので、その店内環境を再現したいというのもロードサイド参入の理由のひとつ。また、ドライブのお供にタピオカは相性が良く、ドライブスルーが作りたいというのもありました」(関谷氏)。今後のロードサイド店舗でも、ドライブスルー併設を基本とする方針だ。
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ドリンクメニューは、お茶をアレンジしたものを80種類以上取りそろえる。1番人気の「タピオカミルクティー」は、ロードサイド1号店の目玉商品として、特別価格の税込500円で販売する。
フードは、日本の店舗で最大の約50種類をラインアップ。藤沢湘南台店限定のメニューも数品販売する。同店限定メニューのひとつ「功夫(クンフー)麺」は、台湾の「春水堂」で人気No. 1メニュー。今回のロードサイド参入を記念してレシピが公開され、日本の店舗でも作れるようになったという。
関谷氏は、「『春水堂』は台湾で中学生からシニアの方まで親子3代で通っていただいてるブランドです。日本でもロードサイド喫茶における新しい第三の選択肢として、全国津々浦々の方々に知っていただき、楽しんでいただける店として頑張っていきたい」と意気込んだ。
〈「春水堂 藤沢湘南台店」概要〉
◆オープン日
2024年4月6日
◆住所
神奈川県藤沢市菖蒲沢947
◆敷地面積
517.32坪
◆店舗面積
82.78坪
◆席数
76席
◆駐車場
28台
◆営業時間
10時~22時