ノースイ、農産部門12%増と伸長し過去最高の172億円

ノースイの前期(17年3月期)冷食売上高は農産、水産加工、調理冷食を含め306億円、そのうち農産部門は前期比12%増の172億円と過去最高を記録、取扱数量は5万7,300tで4%増となった。利益面も順調に推移した。 農産品は主力のポテト類とフルーツ類が牽引。CVs、大手外食、生協、量販店、問屋–と幅広いルートに順調に拡販した。フルーツは原料メーカー向けの伸長もあった。 枝豆、里芋、ほうれん草、ナス、カボチャ、コーン、ブロッコリー、キヌサヤ、オクラ–なども自然解凍品を含め堅調に推移した。 今期は冷食分野合計で3%増収の315億円を見込む。うち農産品が6%増の183億円、取扱数量は5%増6万tを見込む。 農産品では圧倒的強みをもつポテト、フルーツの徹底強化に加え、特に国内需要の大きい枝豆、コーン、ブロッコリーの3品の販売に注力する。 枝豆は台湾を見直す。コーンは米国産で、ブロッコリーはグアテマラ産で、それぞれ自然解凍品の取り扱いを始める。米国産コーンの自然解凍品は他にない商品だ。 農産品のサプライヤーは毎年1割ほど増加させてきた。現状23カ国136工場となる。今期はグアテマラの自然解凍ブロッコリーのほか、新たにベトナムから里芋を、メキシコからカボチャを、それぞれ調達したい考えだ。 世界各国に調達拠点が拡大したことで、3国間貿易も一部開始している。 森瀬公一常務は「今後も簡便性を求める流れは変わらず、冷食のニーズは高まっていくだろう。一方で供給面については、地球温暖化による世界的な異常気象、世界人口の増加、減少の一途をたどる適作耕地面積の減少–などにより原料野菜等の調達はますますひっ迫していく。原料を押さえることが重要だ。当社の強みは農水産素材にある。サプライヤーにはヒト・モノ・カネの3点を注ぎ込んで、関係性を強化・深化させていく」と話す。 社内研修としても、昨年11月には中国の東海冷凍食品の2工場に、今年3月には山東省の龍大食品に、それぞれ15人ほどを派遣する取り組みを行った。今年は北米にも同様の社内研修を行う予定だ。 新たな産地としては今後、フルーツではインドや東欧を、野菜ではミャンマーを検討している。サプライヤーの拡大に積極的だが、適正管理ができるのは150工場ほどではないかとしている。品質保証も重視して、同社では農産品専任の品管担当を7人擁する。来期も増員する計画だ。