今秋は「豆腐ハンバーグ」など学給向けに「おかず国産」シリーズ/ヤヨイサンフーズ
ヤヨイサンフーズは7月から業務用冷凍食品の新商品18品とリニューアル品23品の計41品を全国発売する(一部商品9月発売、季節限定商品含む)。
黒本聡社長は10日の発表会で、「統合以来のテーマである価値の創造、感動と信頼の創出を新商品開発のコンセプトとして取り組み、今回は特に3つの重点施策を掲げた」と述べた。
その第一は学校給食向け商品の開発。学給市場は同社の古くからの販売ルートであり、少子化により市場は縮小しているが最も重要視している市場のひとつ。ゼリー、プリンなどのカップデザートを中心に、煮魚、フライ類、ハンバーグなどのおかず類を並行して販売強化。また、この間は天候不順で生鮮野菜類が高騰し給食費が圧迫され、そのためデザートの使用が控えられ、代わりにおかずとなるアイテムのニーズが高まっている。
黒本社長は「そのような背景を踏まえ、今回は学給で主菜として使用できる『おかず国産』シリーズを発売する。学給向け商品は要望の高いアレルギーへの配慮、国産原料の使用推進に取り組んでいく」としている。おかず商品は「豆腐ハンバーグ」「豚肉コロッケ」「ハートのハンバーグ」などを発売。
第二は施設病院給食向け「ソフリ」のリニューアル。同社は04年から「ソフリ」ブランドで介護食を販売しているが、発売当初からの商品の一つにブロックタイプの野菜シリーズ(やわらか野菜4品)がある。黒本社長は「ブロック野菜シリーズは素材の風味を最大限に活かし、食べる喜びと楽しみを届けるコンセプトで販売。今回は調理する人にも配慮した」とし、従来100g単位から40gにサイズを変更し、ロスが出にくいサイズにした。調理時間の短縮や加熱調理にも対応させ、オペレーションの簡素化に役立つ。メニューは人参、かぼちゃ、エンドウ、ホウレン草の4品。
第三は簡単調理商材の追加。人手不足や人件費の削減の問題で簡単調理品へのニーズが高まり、外食市場、施設病院はじめ全市場で対応が求められている。「当社でも煮魚、丼の具、ポーションタイプのハンバーグなどのボイル調理品、あらかじめ焼き目を付けてスチームコンベクションで大量調理可能な焼き目付き餃子など簡便調理品の開発に取り組んできた」(黒本社長)。今回の新商品では引き続きボイル調理品の品ぞろえと新たに自然解凍調理可能な「肉うどんの具」を開発した。丼の具では「NEW中華丼の具」。「今後も簡便調理品に関するテーマは、ユーザーのスピーディな調理方法、調理負担の軽減をサポートするため継続して取り組む」考えだ。
その他、同社の主力得意先の中食市場向けに新商品、リニューアル品を開発した。「デリグランデ」のリニューアル、原料にこだわった期間限定商品の開発が柱だ。
「デリグランデ」は毎シーズン刷新しているが、今回はトッピングのシュレッドチーズの種類をプラスした。ゴーダチーズ、モザレラチーズに加え、ステッペンチーズを加えた。これによりレンジアップした際、よりチーズの香ばしい香りが感じられる。ラベルデザインも変更し、売場でアイテムの違いがより分かりやすくなるように色合いの調整を行った。
グラタン以外では惣菜向けの期間限定のコロッケやメンチカツを原料訴求して新開発。秋の定番商品となっている安納芋を使ったコロッケ(紫芋と安穏芋入り包みコロッケ)やアンガス牛を使ったメンチカツ(アンガス牛の包みメンチカツ・ビーフシチュー)を開発した。