ハラールエキスポジャパン、ムスリム向け食材、ファッションを紹介
ハラールエキスポジャパン2017(主催:ハラールエキスポジャパン2017実行委員会)が21日~23日、東京都台東区の都立産業貿易センター台東館で開かれた。ハラール対応食材のほか、ムスリム対応の外食店、ムスリム(イスラム教徒)向けファッション、旅行など幅広い分野の情報を紹介した。3日間合計で1万人の来場を見込む。自治体関係者や国内外のバイヤー、旅行代理店、ホテル関係者などビジネス関係者だけでなく、祝日の23日には在日ムスリムなど一般客の来場を多数見込む。出展したニチレイフーズは「FriendlyDining」の業務用レトルト食品を紹介した。
畜肉由来原料やアルコールを使用していない、カレーソース、パスタソースなど4品を現在展開している。調理冷食は現状展開しておらず、当面はレトルトソースの普及に努める構えだ。発売中の商品では店舗に特別な負担がかからないように、別メニューを用意する必要がない、日本人にとってもおいしいと思える品質を目指した。既存の顧客に向けて提案を進めており、今シーズンはスキー場などいくつか導入が決まっているという。
店頭で畜肉由来原料とアルコール不使用メニューであることを一目でわかるように、ピクトグラムシールも提供している。メニュー札に貼り付けるだけで牛・豚・鶏・羊・アルコール不使用であることがわかる。
ミールボックス、丼などの「ハラルミール」(ロイヤル)
〈ロイヤル=ハラール認定弁当〉
ロイヤルホールディングスの製造事業会社であるロイヤルは「ハラルミール」としておかず数品とご飯が入ったミールボックス4品、丼などの単品メニューの弁当7品を中心に展開する。福岡のセントラルキッチンで日本イスラーム文化センター(マレーシアJAKIM 相互認証取得)のハラール認証を受けた生産ラインで製造している。
グループの外食店「千歳洋食軒」では牛丼とカレーを販売。大学生協にはミールボックスを納入している。大学生協では値ごろ感のある価格設定にしていることもあり、購買層はムスリムと日本人が半々だという。
ロイヤルの木村太製造本部本部長補佐は「まだボリュームが小さいので前年比300%と伸び率は大きい。大学などではハラール対応メニューがあること自体が価値になると考えられているが、当面は20万人の在日ムスリムのネットワークで認知を広げることが課題だ。独自の販路をもつ卸売とも手を組んで販路を広げる取り組みも進めている」と話した。
現地の食事パン「パラタ」(グローバル)
〈グローバル=独自販路が強み、量販も着手〉
3年ほど前から自社ブランドでハラール認定食品の輸入販売を手掛けるグローバルは、ムスリム系レストランや小売店に独自の販路を有することから、国内メーカーのハラール認定食材の卸売も拡大させている。
自社ブランドは「Miraz(ミラーズ)」としてマレーシアの協力工場で生産する。現地の食事パン「パラタ」やチキンナゲット、ハンバーガー用パティ、ソーセージをラインアップしている。国内メーカーの取り扱いが増えたことで、ハラール認定食品は現在70品目ほどの取り扱いとなっている。新たに量販店との取り組みも実現している。肉のハナマサの1店舗(新宿店)にはハラール対応コーナーを設けて展開、ロヂャース5店舗でもミラーズブランド品の取り扱いをしている。パラタなどは通常の輸入食品としてリピーターが付いているという。
〈冷食日報2017年11月24日付より〉